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閉話7 皇太子の苦悩

本日は9時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 私はアサシン帝国第14代聖帝の息子で皇太子のオルゴという。今、この国は未曽有の危機に瀕している。これも歴代の聖帝が問題を作り出し、更にその解決を先送りしてきたからだ。


 第12代聖帝は大の建築好きだった。宮殿や劇場などの公共施設を立てまくった。このため、木材や石材の需要が増し、山が崩され、森が切り開かれた。

 すでに枯渇気味であった森林資源はそのほとんどを失い、木材の調達はかなり困難になった。森を切り開いた後は畑にしたが、農業生産は一時的には増えたものの土地の栄養が少なかったためかすぐに下降し始めた。


 第13代聖帝は大の女好きであった。手当たり次第に側室を娶り、実に100人以上の王子、王女を作り、王室費が財政を圧迫した。なぜなら、みな王子王女として、格式ある身分が必要であり、それに伴い、新しい皇家を建設したり、貴族への降嫁に伴う持参金など莫大な費用を必要としたためだ。


 第14代聖帝は先代ほどではないが、女好きであった。

 50人以上の王子、王女を作った。しかし、問題は神仏に対する過度な傾倒だった。

 

 先代、先々代の王が作った問題に対処することなく、神仏に祈ることで解決しようとした。

 あちこちに寺を建設し、多額の寄進を行った。財政状況は悪化の一途をたどった。


 さらに、農業生産量は低下の一途をたどり、水害が多く、海は河から流れる泥で魚が取れなくなった。山は、木がなくなり、動物はいなくなり、山の産物はなくなった。鉱山から毒が流れ出し、わが国土は汚染され、人の住める土地ではなくなってしまった。


 さらに左真人の人口増加もある。建国当初は10万人もいなかった左真人はおおよそだが50万人を超え、それを支える南人は150万人もいなかった。


 そんな時、南にある港「南津」に一隻のフーシの船が停泊した。フーシの船は、まれに南津の港に交易に来る。私はすぐにそこに行き、世界の情報を聞いた。

 すると、国際情勢は大きく変わったようだ。フーシは西側の領土を失ったが、東に領土を大きく伸ばし、以前より栄えているようだ。失った西側の領土には、スカイという国ができており、さらにアサシンの北には、グランドという国ができ、東の梅島諸島、南の大陸を領有しているという。


 私は、北の国との朝貢交易を聖帝に進言した。さらに皇女の降嫁を提案した。我が国と姻戚になれば、朝貢に応ずるかもしれない。その物資があれば、我が国の危機的状況から脱却できるかもしれない。


 聖帝は、北の国に朝貢を命ずる使者を送ることとなった。

 与える皇女には余余二姫が選ばれた。彼女は、下級女官の娘で、聖帝がたまたま手を付けてできた娘だ。後ろ盾もなく、北狄に与えるのに問題もなかった。


 送り出してしばらくして、余余二姫は帰ってきた。どうも婚姻を断れたらしい。蛮族のくせに王女との婚姻を断るなんて、なんて礼儀知らずなんだ、私はそう思った。


 しかし、余余二姫が持ってきた大量の貢ぎ物にはびっくりした。多くの食料、油なしに着くランプ、多くの医薬品、どれも我が国にとって必要なものばかりであった。


 余余二姫や随員から聞いた話では、国境からその都まで延々と畑が続き、畑には一面の実りが輝いていたそうだ。

 人種は南人達が多く、王は、北のロマーンという国の民だったが、妃の一人も南人だったそうだ。

 聖帝はそれを聞いて、北伐を決定した。北の豊かな土地を支配すれば、この危機を乗り切れる。そもそも南人は我々が支配すべき民族であり、独立など認められない。まして我々より豊かな生活をするなど絶対許されない。


 私もそれを支持し、わが国最精鋭の軍を送ることとなった。これで、我が国の問題も解決するのではないかと期待しながら、戦果の報告を待った。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただけると大変ありがたいです。第3章に続ける判断材料にしますので、ぜひとも評価お願いいたします。

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