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閉話5 続・バルバドス王国重要閣僚会議にて

毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 「グランドたちがシルク王国を攻め滅ぼし、シルクの西半分をフーシの領土にしたと報告があった」王はおもむろに声を発した。

 

 カムイ軍務大臣が発言した。「グランドを派遣してから1ヶ月もたってないぞ。あいつは化け物か」

 

 ホルム内務大臣も発言した。「フーシから約束の謝礼が2割増しで届いたぞ。広大な領土とさっさと戦争を終わらしてくれたお礼だそうだ」

 

 外務大臣のブランコ侯爵は言った。「せっかくフーシの力を削いだと思ったら、以前より広い領土を獲得し、強国となってしまった。グランドめやりすぎだ」

 

 バードの活躍に皆が文句を言って、会話に一段落がついた時、おもむろに宮内大臣のスベリ侯爵が口を挟んだ。「ホール伯爵は領土替えに喜んで応じたぞ。とりあえず、東と東南の国境地帯はグランドとスカイに任せておけばよくなった。国としては負担が減ってとても助かっている」

 

 「それでスカイとグランドに褒賞を与えるのだろう?」王は言った。

 

 「彼ら二人には公国としての独立を与える約束となっています」カムイ軍務大臣は言った。

 

 「なんとか反故にできないのか。あの二人を手放すのは我が国にとって大損害だ」ホルム内務大臣は苦々しげに言った。

 

 「外交上もかなり利用価値があり、手放すのは大きな損失になります」ブランコ外務大臣も発言した。

 

 「しかし、約束したものを与えないと、反乱を起こしかねないぞ」カムイ軍務大臣は言った。

 

 「なんとか、別の褒賞で満足させられないか。例えば、姫の一人を与え、王族の一員に組み入れるとか」ホルム内務大臣は提案したが、「スカイ辺境伯もグランド伯爵も結婚相手はもう十分らしい。まして、グランド伯爵はいずれロマーン王国のアント侯爵になる男だ。いくら離れた国だと言っても、下手な工作は相手の心証を悪くするし、ロマーン王国を敵に回すことになる。アント家は戦争の天才、英雄の家系として知られているんだぞ。考えてみろ。グランドみたいなのがうじゃうじゃいる国と戦いたいか?」カムイ軍務大臣は身震いしながら言った。


 「国が亡ぶな」王はひきつった顔で、言った。

 「バルバドス王国は両名に公国として独立し、公王と名乗ることを認める。併せて、バルバドスが宗主国となり、スカイ、グランドが公国として関係を結ぶ。あと、南方領土を今回の褒賞として、両国に与える。この条件でどうだろうか」王は、カムイ大臣たちに確認したが、だれも異論はなかった。

 「せめて、邪魔な南方領土を押し付けるぐらいはさせてもらわないとな」と大臣たちは考えた。


 カムイ大臣は「現在グランドに与えている将軍の地位ですが、そのままにしておこうと考えますがよろしいでしょうか」と王に聞いた。「取り上げてもいいのですが、わが国の将軍であるという事実は外交的にも軍事的にも役に立つと思われます」

 「たしかに、常勝将軍が我が国にいるということは、外交上、大きな利点であるな」とブランコ外務大臣は言った。


 「カムイ大臣の言うとおりだ。その通りにしてくれ」王は言った後、ニヤリと笑い、「今思いついたのだが、どうだろう。爵位の授与権をいくつか与えてはどうだろうか」と言った。

 「爵位の授与権ですか?」スベリ宮内大臣は聞いた。「爵位の授与権は王のみが持つ者。他にその一部でも与えるのは、いかがなものでしょうか」

 「大したものではない。バルバドス王国の男爵位を1つか2つ王の認可付の推薦権を与えるのだよ。するとだ、グランドやスカイの息子の一人が我が国の貴族になる。すると我が国とスカイ、グランドとの関係が深まるわけだ」

 大臣たちははっとした。息子の一人が国を継ぐとして、残りの子供たちはどうするか。公国の貴族となるのだろうが、わが国の貴族の一員になるものがいれば、そのものを通じて影響力を行使できるし、状況によっては更なる利益が期待できよう。

 大臣たちは王の案に賛意を示し、スカイ、グランドに対する褒賞という名の毒が与えられることが決定した。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ幸いです。第3章に続けるかの判断材料にしますので、続きが少しでも気になりましたら、評価いただけると感激です。

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