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閉話30 ジェミニとミリアの冒険旅行その2 ミリアとジェミニの交友と経済と宗教の話

毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 ジェミニとミリアの旅は続きます。一緒に旅を続けるうちに何となく二人は仲良くなりました。

 ジェミニは外敵の排除や危険回避、害獣の退治などに力をふるい、ミリアは肉の解体から野草の採取、その料理や洗濯など生活一般に力をふるいました。

 また、薬草の知識もあり、薬の調合も行いました。


 「ミリアとザキーヤは本当に料理とかうまいよね。ありあわせの物でこんなにおいしてスープを作れるのだからすごいわ」と食事に舌鼓を打ちながらジェミニは絶賛しました。 

隠れてついてきている暗殺者の皆さんも姿を現して、食事に参加しています。

 「もともと村娘で、おまけに次女だったから、家事は慣れているからね」ミリアもすっかり打ち解けた調子で言いました。

 「私も旅から旅の生活だったから、大概のことはできるわね」ミリアの中のザキーヤも言いました。

 「でも、ジェミニも結構魔法が使えるんだ。水魔法で洗濯物の水分をすべて取り除いてくれるから洗濯物がすぐ乾くわ」ミリアが感心したように言いました。

 「アントの連中が異常なだけで、この程度の魔法はロマーン貴族ならだいたい使えるわ」とこともなげに言いました。

 「うらやましいわ。私魔法は全然使えないもの」

 「ミリアだって、簡単な魔法なら使えるようになるよ」

 「ほんと!ねえ、今度教えて」

 「お安い御用よ」

 

 二人がきゃいきゃいと話をしているのを見て、ジェミニについている暗殺者たちがこそこそと話をしています。

 「ジェミニ様と対等に話をしているぞ」

 「あの狂気と謀略の申し子と言われるジェミニ様とああまで気安くするとは、あの女ただ者じゃないな」

 「我々でさえ話をするときは冷や汗が止まらないのにな」

 「スープもうまいし、虐殺者アントに嫁ぐだけの度量があるわけか」

 「スープがうまいのは関係ないだろう」

 「仕方ないだろう。うまいものはうまいのだから」

 「干し肉と雑穀をつぶして固めた固形バーだけの食事に比べたら天と地の差だからな」

 「本当にそうだ」

 

 二人が北に向かって進んでいくと、そこには立派に道ができていました。その街道は北にまっすぐ伸びていました。

 「これ、間違いなくバースの仕業ね」ジェミニは感嘆した声で言いました。

 「この道をたどると、旦那様達のところにたどり着くわけね。しかし、この道の意味が旦那様達分かっているのかしら」ミリアは言った。

 「この道に大きな意味があるのかい?」ジェミニは興味深げに聞きました。

 「道ができたということは、この道を中心にローマ連邦の影響下に周辺諸部族を置くことができるようになったということなの。道があれば人が通る。商品も通る。今、ローマの影響下は南部のみにとどまるし、支配しているのはロンディニウム周辺のみだけど、南部は旦那様達がドルイドの巫女たちを通じて影響下に置いたし、この道を通じてさらに北に影響力を伸ばすことができるわ」ミリアは説明しました。


 「ミリアは頭がいいな。つまり今回の二人の旅はこの地をローマの影響下に置く大きなきっかけになっているということか」

 「そうだと思う。でも旦那様もロン義兄さんも深く考えてないと思うよ」と言って笑った。

「うん、違いない。二人とも考えなしで行動して、それがいい結果を生むことが多いからな」ジェミニは苦笑しながら言った。

 「そのとおりね」と言ってミリアも微笑んだ。


 道を進んでいくと、ドルイドの巫女たちが住まう社があり、そこには多くの人が行き来していた。市が開かれているようだ。海側から塩漬けの魚が、山側からは獣の肉が、部族ごとの織物や装飾品も取引されていた。

 「ねえ、ここでローマ貨幣は使えるかしら」ジェミニは塩漬けの魚を売る男に聞いた。

 「ああ、大丈夫だ。物々交換が主だがローマ貨幣なら持ち運びが楽だし、ロンディニウムに行けば珍しいものと交換できるからな。前はロンディニウムまで何十日も森の中や荒れ地を旅しなければならなかったし、排他的で暴力的な部族もいたが、最近道ができてロンディニウムに数日で行き来できるようになったし、暴れていた部族もおとなしくなったからな」と男は機嫌よさそうにべらべらとしゃべった。

 ジェミニは魚を何本か買うと、ミリアに話しかけた。「ミリアの言うとおりね。この道の続くところローマの影響力が強まるわ。道ってすごいわね」

 「それだけじゃないわ。ドルイド信仰を利用して人が集まる場所を作り、商業という手段を通してローマの貨幣経済に組み込み、さらにドルイドの巫女たちを懐柔することで宗教という手段によって人々の心を掌握する。ザキーヤだったらこの恐ろしさ分かるわよね」

すると、ミリアの口調が変わり、「ええ、イム教の教徒にとって、神のために死ぬ殉教はもっとも尊敬される行為であり、天国への最も確実な道として考えられているわ。ドルイドの信仰は緩いけどやはり信仰の力は侮れないわ」とザキーヤは言った。

 「謀略はフライ家のお家芸なんだけど、すっかりお兄ちゃんにお株を奪われてしまったわ。うん、お兄ちゃんはすごい」ジェミニはデレデレしながら言った。

 ミリアは苦笑するばかりだった。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


この作品をお読みいただきありがとうございます。まだしばらく続きますので、よろしく願いいたします。

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