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第10限目「おじさんたち、球技大会がしたい!」


「ドキッ美少女だらけの球技大会! ポロリもあるよ!」


 骸期はいつものように、ふざけた題目のイベントを唱えた。


「ネタが古いッ!! こんなの令和の人間分かるわけないだろ!」


 華美咲がすかさずツッコミを入れる。放送倫理規定で地上波ではめっきりみなくなってしまったワードである。


「大丈夫、令和生まれは最大でも4歳、物心ついてないからセーフ」


「そんな問題じゃねえ!!」


「んじゃ、まず定番のドッチボールといきますか!」


「話をおおおおおおおおおおおお聞けええええええええ!!」


 強引に、そして勝手に話を進める骸期。だが、ただ無為にこのバーチャル空間で過ごすのも時間の無駄というものだ。


「さんせーい!」


「チーム分けとかどうすんだ?」


 周囲からの後押しの声掛けもあって、すっかり球技大会をやるものとして話が進んでいる。


「おいおいおいおい! まだやるなんて一言も……」


「じゃあサリアは審判ね。ちょうど奇数で困ってたし……」


 華美咲はやる気なしと見なされ、審判役に徹することとなった。


「まぁ……いいけど……」


 ということであたしがこの球技大会の司会進行を務めることとなったわけだ。


「ぶへらっ!」


 あたしの頬に思い切りボールをぶつけてきた藍我とかいう下劣な人間はにししと無防備な笑顔を見せている。


「藍我さん、次やったら退場だから」


「わーーかってるってヴォケが!」


「こら、審判に暴言吐かない」


 この球技大会、中身は男性ということもあってキャッキャウフフなんて状況とは程遠い。

――みんな本気ガチでやっている。


「華美咲―ダル……いや、しんどいから救護室行ってきまーす」


 いや、先ほどの言葉は訂正しよう。中には全くやる気のない者もいる。


「天一さん、元気になったら戻ってきてねー」


 ドッジボールなんて小学生の時以来していない。娯楽が氾濫し、跋扈する現代社会、良いか悪いか、趣味の細分化が行われている。なかなか趣味の合う人間と出会うことは難しい。昔は同じテレビの番組で盛り上がったりできたのに……


「どうした華美咲? まるで昔は同じテレビの番組で盛り上がったりできたのにって郷愁の思いに駆られてる顔してるぜ!」


 赤都葉、こいつ、思考を読んでやがる……


「嘘嘘、適当に言ってみただけ」


「ぐはッ」


 無駄話をしていたレミドちゃんがアウトになった。まあ、当然っちゃ当然ね。


「ふっ、それは分身でござる」


 小鴉ちゃん、ナチュラルに影分身の術を使すぎ……


「分身でも当たったらアウトだろうがよヴォケ! なあ審判!」


 え? あたしが決めるの? 


「次回、骸期死すっス」


――ってことで、次回もよろしく。


 って、嘘∞《うそはち》ちゃんがはボールをひょいっと躱しながら言ってた。


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