第9回ネット小説大賞に落選してしまった方々に贈りたい応援エッセイ
落選した人だけ読んでねってワケでもないのです。
見事、一次選考を通過した方々も、どうぞ読んでいってくださいな。
あなた方と同じくらい賞賛されるべき方々を、自分は目撃しました。
先日、「第9回ネット小説大賞」の一次選考通過作品の発表が行なわれたのは、皆さま知っての通りかと思います。
作品の応募総数は14271作品。その中から一次選考を通過できた作品は、全体の約13%ほどの1841作品とのこと。(ネット小説大賞公式ホームページより)
単純に計算すると、実に12430作品が落選し、それだけ涙を呑んだ人の数がいるということに。
かくいう自分も、涙を呑んだ人間でございます。
四作品ほど参加させてみましたが、あえなく落選しました。
たしか自分、去年もこっそりネット小説大賞に応募させていただいたはずですが、二年連続で落選でございます。いやぁ、仕方ないとはいえ、正直なところ、やっぱり少し悲しいのですよー。
まぁ自分のことはどうでもいいとして。
本題はここからでございます。
自分、今年の四月ごろから、紆余曲折を経て多くのユーザー様と交流させていただくようになりました。マイページの「お気に入りユーザの活動報告」が、今までは一か月にせいぜい数回くらいしか更新されなかったのが、今では毎日ひっきりなしに更新されております。
やはりと言うべきか、自分の現在の「お気に入りユーザの活動報告」は、ネット小説大賞の話題で持ちきりでございます。「私の作品が通過した!」というお声もあれば「全滅したぬー」と言ったお声も当然あります。
一次選考通過のご報告には、当然ながら多くのユーザー様がお祝いに駆け付けます。英雄のごとく浴びるほどの賞賛を受け、今まで埋もれていた参加作品が再評価の機会にも恵まれ、まさに人生バラ色の瞬間でしょう。
そのお祝いに駆け付けるユーザー様の中には、同じくネット小説大賞に応募したのに、その方の参加作品はすべて落選し、それでも通過した方を心からお祝いしている方もいました。まるで自分が一次選考を通過したかのように、一緒に喜びあっておりました。
そんな方々を見て、自分は正直「すげぇ」と思いました。
その方々だって、できれば共に一次選考を通過したかったはず。
一次選考を通過した作品たちを見て「羨ましい」と少しは思ったはず。
世の中の小説や創作に、嫉妬や羨望で道を踏み外すキャラクターのなんと多いことか。
今回のネット小説大賞の落選を受けて、ショックで筆を折ろうとしている人や、不貞腐れて無気力になってしまった人もゼロではないのでは、と自分は思っております。
それでも彼らは、そんな悲しみの感情に折り合いをつけて、一次選考を通過した方々のお祝いに駆け付けた。
同じく落選してしまった自分だからこそ分かる。
きっとそれは、誰でもできることではない。
むしろ、できる人の方が少ないとさえ思っています。
一次選考に通過した作品は、先述の通り1841作品。
単純に考えるならば、一次選考を通過できる人は1841人もいるということ。数字だけ見れば結構な数です。
しかし。
己の落選を受け止めて、通過した方々に拍手を送る。
これができる人は、はたして何人程度のものなのか。
落選してもなお、一次通過した方を応援できる方々。
彼らもまた、一次通過した方々と同じくらい、あるいはそれ以上に、褒め称えられるべき素晴らしいスポーツマンシップの持ち主だと自分は思います。
故に、喝采を。
彼らの健闘と、誇り高き精神に。
暗い曇り空が吹き飛ぶくらいの、大喝采を贈りたい。
あなた方の作品もまた、素晴らしいものだったに違いない。
今回落選してしまったのは、たまたま巡り合わせが悪かっただけのこと。
こんな素敵なことができる心の持ち主がお書きになる作品が、面白くないはずがない。
だから、どうか諦めないで。
落選なんかに負けないで。
あなたの作品を待っている人が、必ずどこかにいるはずだから。
ちなみに自分の落選理由は、たぶん「他コンテストとの重複応募」が原因だと思います。それ不可だったのね。見落としてたよ。_0(:3 」∠)_