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よし子は良子になれないの。

作者: 丸川金

この物語はフィクションである。しかし、女性には見覚えのあるものがあるかもしれない。

 ○月△日 今日も失敗だった、腐った男だった。こっちは癒して欲しいのよ、何もわかってない分からず屋。

 パタンと私は手帳を閉じた。こうやっていつも夜に日記を手帳に書いている。今日のあった出来事や、嫌なこと、楽しいこと、男絡みなどなど。心の奥底に溜まっている、喜怒哀楽を書き殴りて浄化する。できたら、極楽浄土には行きたいがそんな事をしている奴は、地獄行き即決定である。ちょっとでも、軽い罰であってほしいと思い書くばかりである。


 申し遅れましたが、私もうすぐ三十路、彼氏は欲しいが行動しない、待ってばっかりの痛々しいシンデレラこと、佐藤よし子と申します。


 どうぞ、現代の日記文学?を楽しみくださいませ。


 ○月△日 靴が合わないお年頃。

 今日は初めて○席屋に行ったの。そろそろ行動しないと思ってね。私の五つ下の後輩のマチ子ちゃんとね。マチ子ちゃんは見た目も中身も、the女子って感じの子なのよ。顔に自信あり、中身も天性のぶりっ子。同性からは嫌われがちだけど、しっかり仕事もしてくれてまぁいい子よ。 

 そんな、マチ子ちゃんに連れられて○席屋に行ったわ。


 初めての○席屋はなんだか、私みたいなおばさんは相手にされないようなところだったわ。大体、男がダメなのよね。なんか、若い子と戯れたい、結婚願望はあるけどまだいいかな、みたいな男ばっかりよ。

 私とマチ子ちゃんと二人でいるのに私のことは、ガン無視…。腹が立ってくるわ。ムカついたから、お酒を取りに行くついでに、店員さんに人を変えてって頼んだわ。秘密の暗号を言ってね。


 取りに戻って来た頃にはその男達はいなくなってて、清々したわね。可愛くて若い子にしか目がいかない男、お酒も私がとって来てあげたのに、何も言わない。そもそも、○席屋に来る男はダメな男ばっかりなのよ。二度と行くか、あんな所。ちゃんとした恋愛をして結婚してやるつぅーの!

 

 はい、ここで佐藤よし子さんの犯した間違いを教えましょう。

 

 まず一、○席屋は若い子向けだが、自分が可愛くない若くないって事で戦意喪失をしています。本当はここで、まだ私はお姉さんキャラというか大人の色気を出せれば、よし子さんにチャンスはあったかもしれませんね。

 また、人を変えた事によってよし子さんにもチャンスが来るかもしれないと、思ったのはいい考えですが、殻を破れていなかったのでダメでしたね。

 

 一番ダメなのが、○席屋に来る男が悪いと、もうそれはよし子さん自身のダメなところを男に責任転換して私は悪くないと、それこそが一番ダメだとよし子さんはわかってない。

 わからやずやですね。よし子さんはこの事わかっているのでしょうか。果たしてよし子さんは、靴が合う日が来るのでしょうかね。

 以上、解説員のマチ子でした。では、次の日記でまた会いましょう。

 

 ○月△日 友達の友達は王子様?!?!?

 今日は、会社帰りに親友の優子に会って来たの。もう久しぶりに会うから、ドキドキワクワクしてて、その日の仕事は捗らなかったわ。まぁ、仕事もちょっと、残業してから待ち合わせの恵比寿駅で待ってたのよ。

 

 そしたらね、五分経たないうちに優子が来たの、もう感動の再会だと思った矢先、優子の隣に男の人二人。あれれ? 今日は、感動の親友二人で飲もうじゃないのー?って思ったわ、まぁそしたら、優子が

 「よし子、久しぶり〜、私と同じ会社で同期のA君とB君も呼んじゃった。ご      

めんねぇ連絡してなくて。」

 「あ、いいよいいよ、気にしないで〜初めまして、優子の親友の佐藤よし子です」

 心の中では怒り爆発中でした。私は、久々の親友と再会しすごく話したかったのに、なぜ男を連れてきたんだ。男などはいらない。女子会がしたいのだと思いながら、

 「では、お店に入りましょうか」といい、男女2対2の交流会という名の、合 コンが始まるのであった。

 合コン自体は楽しかったわ。最初は旧友との再会を楽しみにしてたから、びっくりしたけど、でも男がいるだけでなぜか女子って、テンション上がるのよね。優子もなぜか、いつもよりテンションが上がっていたわ。服装も透け感を出していたし、どっち狙いかは分からなかったけど。

 私は、A君がタイプだったわ。私の隣からずっと離れないでいて、飲み物がなくなったら飲む?って気を使ってくれるし、お姫さまみたいな気分になれたわ。あと、顔が好み、タイプ、イケメンよ。それに比べて、B君は売れないミュージシャンタイプだったわ。男のロマンは女にはわからねぇとか、やたらと女性批判というかムカつく男だったわ。夢ばっかり語るのよ。

 

 そうそう、前回の○席屋の反省で、ちゃんとよし子を出していったわ。男を立てることにも成功したわ、ちゃんと聞き役に回って、左8度に首を傾けて、合コンで使える『さしすせそ』もいっぱい使ったわ。

「すごーい」って言葉を何十回使ったことか、あと、念のための三枚のハンカチも持って行ってたのよ。私って、用意周到すぎるわ。

 三枚のハンカチって、1枚目は手を拭く用、2枚目は膝にかける用、三枚目はこぼした時や涙を拭く用よ。ちゃんと膝にかけたわ、あざとく溢しては使用できなかったけどね。でも、B君は「何、寒いの?」って聞いてきたわ、カチンときちゃった。まぁ、そこで怒らないけどね。

 

 この合コンテクのお陰で、A君との距離は縮まりちゃっかり、LINEもゲットできたから、めでたしめでたしね。

 早く次のお誘いLINEが来ないかな〜。次は、A君と二人でデートしてお持ち帰りを目標にするわ。私の王子様はA君だったわ。

 

 またまた登場、マチ子です。

 よし子さん、成長しましたね。合コンの手引書でも読んだのでしょうか、最初は嫌だった男どもを虜にするなんて。まぁ、よし子さんも結婚を考える年齢になってきましたからね。おっと、怒られそう。

 でも、ダメ出しをするなら、合コンの『さしすせそ』使ったのはいいですが、三十路なんだし、もうちょっと落ち着いた『さしすせそ』を使ってほしいなと思いました。これを使えるのって、25歳ぐらいだとマチ子は思うんですよぉ。

 でも、今はモテる女の戦略ぶりっ子『あいうえお』がありますからね。これは使えると思いますね。『あげな〜い。いらな〜い。うごけなぁ〜い。えらべな〜い。おせなぁ〜い。』これを、ほろ酔い気分で適度にやったら、男の人は喜びそうですね。

 意外と男の人は、単純なのでね。あと、三枚のハンカチは育ちの良さが出てきて良いですね。あと、ひと押しがハンカチであればもっと良かったんですけどね。でも、よし子さん、LINEも交換できたからって油断は禁物ですよ。これからが本番なんですから、ケダモノ女子ではなく、小動物系女子で行かないと、幸せは勝ち取れませんよ。以上、解説員マチ子でした。


~よし子の恋愛戦い術はこれからであった~

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