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どうしてこうなったの?

私の名前はエリス・バリスタ。この世界にはミドルネームは無いのでこれがフルネームだ。


ある日、落馬してしばらくの時間、意識を失っていたらしい、その時のショックで前世の記憶を色々と思い出した。


「どうしてこうなったの?」

私はいつの間にか声に出して呟いていた

ここは剣と魔法の世界、つまり現代から見れば異世界だ。


「これって弟の持ってた18禁のエロゲーだよね…」

「男性向けアダルトゲームのシャイニングラブストリーの悪役令嬢だわ」

鏡を見てそう呟いた。


シャイニングラブストリーにはバッドエンエンドがいくつかあり、その中のひとつに、悪役令嬢がヒロインから主人公を寝取ってしまう話がある。


そのまま主人公がずるずると二股の肉体関係を続けた結果、ヒロインが精神を病んでしまい、最後には悪役令嬢がヒロインに刺されて死亡すると言うバッドエンドがあった。


今、自分が回避すべきシナリオはそのバッドエンドだろう。

そうは言っても、このゲームの知識はそれだけで、女性の自分が男性向けの18禁ゲームをプレイするはずも無く、詳細な話は一切知らなかった。


未来に起きる出来事のほとんどがわからないのである。


「ヒロインと主人公には関わらないようにしよう…」

触らぬ神に祟りなしって言うものね。


「確か主人公の名前はキリトだったはず」

主人公のビジュアルは黒髪で前髪が異常に長く、目が隠れるぐらいの長さだった


「あれ絶対前が見えないよね」

特徴的なビジユアルなので会えばすぐにわかるだろう。


「ヒロインの名前はローラだったかな…」

現実にはあり得ないピンク色の髪で、前世の弟の話ではヒロインは胸が大きくてけしからん事になっているらしい。


ピンク色の髪なら会えばすぐわかりそうなのだが、この世界は赤、青、黄色とあらゆる髪の色が存在するので色だけでは特定できないのであった。

実際、私の髪の色は薄い紫だもの。


ヒロインの特徴がうろ覚えなので、とりあえず巨乳は敵と覚えておく事にした。


物語は魔法学校高等部が舞台となっている、私も魔法の才能を認められ無事に入学できた。

そして明日が魔法学校高等部の初めての登校日である。


前世ではOLだったが、異世界ではJKになるのね……少々複雑な気持ちではあるけど…

外見的にも前世に比べたら10歳ぐらいは若返っている。


この世界では、魔法学校の生徒は全員成人として扱われる。

このため、魔法学校の生徒は学年にかかわらず年齢が18歳以上で固定されると言う特別なルールが制定された。

高校一年生の私でも18歳以上として扱われるので、とても不思議な習慣である。


現在私は自室のベッドで療養中なのだが、落馬の時に特にケガをしたわけでも無く時間を持て余していた。


「エリスお嬢様、入ってもよろしいでしょうか」

部屋のドアからノックの音がした、入って良いと声をかけるとメイドが入ってきた。


「エリスお嬢様、夕食の準備が整いました」

「わかったわ、着替えたら向かいます」


「エリスお嬢様、お体の具合はいかがでしょうか?」

「落馬で少し頭を打ったようだけど、それ以外は全くもって問題ないわ」


「旦那様もご無理をせぬようにと大変心配しておりました」

「それならば猶更、顔を出さないと心配するでしょうね、元気な姿をお父様にお見せしなければ…」


ふとこの世界で妹が居る事を思い出した。

名前はミリア・バリスタと言う、かなり年の離れた妹で、現代に当てはめれば小学校の高学年ぐらいだった。


「ミリアも心配してるでしょう?」

「それはもう宥めるのが大変でございました」


ミリアはお姉ちゃん子で、母親よりも姉である私に懐いていた。

妹がどれだけ心配したか手に取るようにわかる。


まずは妹を安心させてあげないとね。

「ミリアを呼んできてもらえるかしら」

「かしこまりました」

そう言ってメイドが退出してからしばらくした後…


部屋のドアが突然バンッと開いて

「お姉様あぁぁぁーーーー心配したのですわぁああーーーー」

妹がきりもみ状態で私のボディにダイブしてきた、ドス!と鈍い音と共に、鳩尾にナイスな頭突きが入る。


「ゴフッ…ミリアには心配をかけたわね」

「お姉様、まだ体調がすぐれないのですか?」


「たった今アバラが3本ぐらい逝った気がしたけど、全然平気よ心配しないで」

「お姉様、しばらくこのままで居させてください…」

と妹に抱きしめられていた。


(このー、ういやつめ…)

前世の兄弟が弟だった私には、同性の妹は新鮮だった、ついつい甘やかしてしまう。


その時、突然、空中に選択肢が浮かんだ


ー 妹とのスキンシップ ー

 1.妹の頭を撫でてあげた

 2.妹に胸を揉まれちゃった

 3.妹のパンツをおろしてみた


一瞬、何が起きたのかわからなかった。

しばらく考え込んだ結果、たぶんゲームの選択肢だろうと理解した私は、迷わず1を選ぶ。


私が妹の頭を撫でると嬉しそうに

「お姉様、大好きー」

と言ってスリスリされるのであった。


(この世界マジでヤバイ!!)

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