表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/22

決着

学校からの帰り、キャサリンとマリーに会った。

キャサリンはいつものように

「マスターをお守りします」と言って同行する。


その時


「槍マン、参上!」

「だから、言い方!」


槍の女の子が再び立ちふさがった。

(あれ以来、わりと頻繁に現れるのよね)


「マスターには手出しをさせません!」

「そこの女騎士(キャサリン)、今日こそ決着をつけましょう」


その時、マリーが反応する。

「あれ?ウェンディさん何してるの?」


「え?」

「同じクラスの娘だよ」

槍の女の子はマリーのクラスメイトだっため、あっさりと真名をバラされた。


名前はウェンディ・グリーンバリと言うらしい。


彼女は動揺していた

「ひ…人違いです、お財布忘れてマリーに昼飯代借りた、あのウェンディなわけないじゃないですかぁ」

(あ、やっぱり本人なんだ…)


「無敗の連勝記録を持つ彼女が、初めて引き分けたらしいよ」

(やっぱりあれを引き分けと言い張るのね…)


「手ごたえのライバルができたと喜んでいたよー」

つまり、槍の女の子の目的は私ではなく、キャサリンに会いに来ていたのだった。


マリーに色々バラされてウェンディは

「ぜ…全然そんな事言ってないしぃー」

と否定する。


「何度来ても返り討ちにしてみせます」

とキャサリンは剣を構える。


「決着をつけたいと言うのは本心よ、キャサリン・パントリー、貴女に決闘を申し込みます」


- ウェンディの取った行動は? -

 1.白い手袋を投げつけた

 2.白いパンツを投げつけた

 3.果たし状を投げつけた


私は2を選んだ


「キャサリン・パントリー、貴女に決闘を申し込みます」

と言ってウェンディは白い布を叩きつけるのだが、それはパンツだったのだ


「えっ?えっ?」

ウェンディが顔を真っ赤にして動揺してる


「キャサリン勝負してあげたら?」

この娘はキャサリンと勝負がしたいのだ、このままだと毎日襲撃されるのだろう


「マスター、そうは言いますが武器を手にしての決闘は危険ですし…」


「貴女も私にパンツ投げて決闘を申し込んだでしょ!」


「あれは悪を成敗しようと思ったのです、悪に人権などない」

悪に対して割と辛辣なキャサリンであった。


まぁ私も危険な決闘をさせるつもりは無い、あくまで試合の形式で挑んでもらいたいのだ。

「決闘ではなく、試合の形式を提案させていただくわ」

と二人に提案する。


試合には練習用の槍と剣を使う。業物は禁止だ。

伝説の剣とか槍ってだけで地形が変わるぐらいの威力がある。


技量を競い合うならば武器に性能差があるのは望ましくない。

それに練習用ならば刃はついていないので殺傷能力がなく比較的安全だ。

まぁ達人が使えば簡単に人体を貫通するのだけど…。


試合の場所は郊外の開けた土地、建物は何も無く、ゴツイ岩のブロックがいくつかある程度の平地だ。


私は二人に試合の勝利条件を提示する

「どちらかが戦闘不能と判定される、もしくは自ら負けを認めたなら試合終了とします」


「マリーお願い」

私がそう言うとマリーは二人に物理攻撃無効の保護魔法をかける。


マリーのプロテクト魔法は顔面から床に叩きつけても無傷と言う優秀な魔法なのだ。

今の二人は刃物で切りつけられても、バットで殴りかかっても無傷なのである。


「試合開始!」

私がそう宣言すると二人の姿がブレた。

動体視力が追いつかないのだ。


幾許(いくばく)か切り結んだ後、二人が同時に吹き飛ばされた。


キャサリンが地面を抉りながら飛ばされ、その先にある岩にめり込んで亀裂が入った。

「すごいですね、この保護(プロテクト)魔法」

と言う。


一方、ウェンディの方も同じく吹き飛ばされていて、同じような状況である。

つまり相打ちだったのだ。


「いや、すごいのは練習用の武器でその威力を出す貴女たちよ」

と私はツッコミを入れる。


「ウェンディ・グリーンバリ、どうやら貴女の評価をワンランク上げないとないようですね」

「キャサリン・パントリー、それはこちらのセリフです」

二人は歩み寄りお互いの間合いで立ち止まった。


槍と剣の間合いならば、槍の方がリーチは長い。

この距離から仕掛けるならば槍の攻撃が先に当たるだろう。


()()を使わないで勝てる相手じゃないわね…」

キャサリンが呟く


「そろそろ決着をつけましょうキャサリン・パントリー」

とウェンディが槍を構えて言う


「ええ、終わりにしましょう」

とキャサリンが呟き、しばらく睨み合いが続く。


キャサリンが

「縮地」

と叫ぶ


気が付くと、キャサリンが槍の間合いに入り、剣でウェンディの胴体を薙ぎ払っていたのである。

ウェンディが貫通ダメージを食らう

「がはっ」


吹き飛んだウェンディがヨロヨロと立ち上がった

「い…今のは…」


キャサリンが言う

「縮地…圧縮された時間の中を移動したのよ…」

時間の流れを操作して遅くしたのである。


剣を振っても届かないのだ、槍の間合いに入るにはこれしかなかった。


「負けを認めます…」

「胴体を薙ぎ払われた、実戦だったら死んでいたわ…」

とウェンディが言う


「そうかしら、貴女はまだ本気を出していない…」

「それはお互い様でしょう」


あれで本気出してないとか、勘弁してほしいレベルである。


「勝者、キャサリン・パントリー」

私はそう宣言した。


「じゃあ約束ね」

とキャサリンが言う


「約束?」

「負けた方は何でも言う事を聞くと言う約束なのよ」


そんな話があるとは聞いてなかった。

さすがに魔法による従属契約は抜きと言う事になっているらしい。


キャサリンはウェンディに向かって言う

「貴女もマスターを守護する騎士として活躍してもらうわ」


「わかったわ」


ウェンディのプロフィールが頭の中に流れ込む。

このタイミングなのね…この娘も攻略キャラだと気付く、イベントをこなさないと攻略できないタイプらしい。


「エリス・バリスタ、今日から私は貴女の騎士に加わります、よろしくね」


「ちゃんとマスターとお呼びしなさい」

とキャサリンが注意を促す


「私の主はキャサリンよ、主の命令でエリスを守護するだけよ」


「申し訳ありません、マスター、後でちゃんと注意しておきます」


ウェンディは最初からキャサリンが目当てだったのだろう。

私を守護すると言う名目で常にキャサリンと行動を共にできるのだから、その条件を受け入れたのだ。


ウェンディの攻略フラグを立てたのはキャサリンだった。


もちろん攻略対象キャラである以上、私もウェンディが攻略可能なのだけど。

(ここはキャサリンに頑張ってもらいましょう…)

私は、二人の間に割って入る気などサラサラないのであった。


クラスの男子が噂話をしている

「また()()()()()がやらかしたらしいぜ」

女の子(ウェンディ)に力ずくで何でも言う事を聞くって約束させたらしい」

金髪の女の子(キャサリン)に続いて二人目の犠牲者か」

「可哀そうに…」

(わー、また何か違う方向に誤解されてるー)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ