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猫?

自宅の部屋でくつろいでいると、ドアをノックする音がした。

妹が部屋に訪ねてきたのだ。


「お姉様見てください、猫を拾ってきましたの」

どうやら私に猫を見せに来たらしい。


私はその猫を見て固まった。


そこには、頭に猫耳、お尻にシッポをつけた美少女が立っていたのだ。

「あたしはミミって言うニャ、よろしくだニャ」


「今すぐ捨ててきなさい!!」


「そんなー御無体ニャー、せっかく拾ってもらったのニャー」


ミミと名乗る少女は、私の腰を足でカニ挟みにしつつ、両腕で胴体にしがみついた。

だいしゅきホールドと言われる技である。


「飼ってくれるまで離さないのニャー」


「痛たた、爪を立てないでー」

「それに、貴女どう見ても人間でしょ?」


横からミリアが言う

「お姉様、何を言っているの?猫ですわ」


もしかして、私だけ人間に見えるのかしら…

そう思った私は、ミリアに確認してみる


「二足歩行してるわよね?」

「してますわ」


「言葉を話してるわよね?」

「話してますわ」


妹の認識は、私が見えているそのままだった。


「人間よね?」

「猫ですわ」

「…」


(ごめんなさい18禁エロゲーの世界をなめてました)


リリスから注釈が入る

「ゴブリンが存在するのだもの、獣人も存在するわ」


「猫の定義がおかしいんですけど…」


「そのうち慣れるわよ」

そこは慣れたら負けのような気がする。


頭の中にミミのプロフィールが流れ込んでくる。

(えっ攻略対象なの?)


妹は両親の説得に成功し、無事に猫を飼う事になったのだ。

(大丈夫なのかこの世界…)


しばらくすると

「お姉様手伝ってー」

と再び妹が自室に訪ねてきた。


ミリアの服装は上がチューブトップで下がドロワーズ姿だ

ちゃんと服を着なさいと注意しておく。


「ミミと一緒にお風呂に入ろうとしたのですが、ミミが嫌がってるの」

助けてほしいとの事だった。


妹に連れられて浴室に行くと、ミミが柱にしがみついていた。


「お風呂は断固拒否するニャー、猫の権利ニャー」

とわけのわからない権利を主張している。


「お姉様もお風呂をご一緒しましよう、ミミを連れてきていただけますか?」

と言ってミリアは先に湯舟に向かった。


さすが小学生、潔い脱ぎっぷりだった。

体が見えなくなるぐらいの大量の湯気が視界をさえぎる。


特に胸と股間に湯気が集中すると言う、科学で解明できない不思議な現象が起きるのだった。


私も服を脱ぐと、バスタオルを体に巻きつけた。

そして、柱にしがみついているミミに一撃を入れて気絶させると、裸に剥いてズルズルと引きずって行った。


それを見たメイドが呟く

「おそろしく速い手刀、私でなきゃ見逃しちゃうわね」



豪邸の浴室なので、浴槽は姉妹2人にミミを入れても余裕の広さがあった。


ミリアは私の胸をちらりと見ると

「私も早く大人になりたいですわ」

と言う


(ごめんねお姉ちゃんの胸、まだ大人になり切ってないのよ…)


大人の胸と言うのはローラの胸の事を言うのだ。

ローラは立った姿勢で自分のつま先が見えないと言っていた。

私はその話を聞いて、血の涙を流した覚えがある。


「お姉様、お背中でも流しましょうか?」

「貴女の目的はこっちでしょ」

と言って湯舟に沈んでるミミを引っ張り上げる


目の前には一糸まとわぬミミが、意識が無いまま横たわっていた。

獣人と言われて想像するような体毛もない。


背丈や外見はマリーに近い、年齢もほぼそれぐらいだろう。

不思議な現象の湯気でわかりにくいが、プロポーションは良い方だ


(たぶん胸は私より大きい…猫のくせに…猫のくせに…)


ミリアはとりあえずミミを泡だらけにして洗い始めた。


またしても、胸と股間に泡が集中すると言う、謎の現象が起きる。


ミリアがシッポにさしかかると戸惑いを見せた。人間には無い部分なので洗い方がわからないらしい。


ミリアがシッポを片手でぎゅっと握ると

「はうっ」

と声がした


スリスリスリと上下に動かす

「んっ」とか「くっ」とか声をあげている


しばらくは、倫理的に出てはいけない声が続いたので、私は赤面しながら下を向いた。


だが、小学生の妹は知識が全く無かったので、どんな喘ぎ声に対しても一切の容赦が無かったのである。


その結果、リリスから注釈が入った

「好感度がMAXになったわ」

「え?」


「ミミが貴女の妹に攻略されたと言う意味よ」

「え?私の妹ってそんなにテクニシャンだったの?」




日常的にミミは着せ替え人形のようにされていた。

小学生の趣味なんてそんなものである。


今日は濃い赤色のゴシック調のドレスを身につけている。

首にはチョーカーを巻いて鈴がついていた。


「ミミの御主人様はミリアだけなのニャー」

と言って傍を片時も離れない。


事情を知らなければ、微笑ましい光景である。

(事情さえ知らなければ…ね)

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