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極悪非道なエリス

私は学校の廊下でマリーと遭遇したのだが…


マリーは何故か、上半身はちゃんと学校の制服を着ているのに、下半身はパンツ一枚だけだった。


私は急いで駆け寄った

「ちょっとマリー来なさい!」

私はマリーを空いている教室に押し込む


「貴女ねぇ、なんて恰好で歩いているのよ!!」

とマリーに詰め寄った。


「いっけなーい、スカート履き忘れちゃった、てへぺろ」

(誰だよ、こんな頭のおかしいイベント設定した奴…)


とりあえずマリーには、認識阻害の魔法をかけておいた。


教室の外の廊下をアリエルが通りかかったので、アリエルの腕をガシっと掴むと教室の中に引き入れる。


「やぁ、エリス、今日もいい天気だね、朝日が夏の太陽のように眩しいよ」

「夏の太陽のように眩しいのはマリーの下半身よ」


「ねぇアリエルは着替えを持っていないかしら?」

「残念だけど持ち合わせていないよ」


「でも、心当たりならあるから、ついておいでよ」

「本当?お願いしますわ」


しばらく歩くと、とある部活動の部屋の前で立ち止まった。

「演劇部」と表示されている。


「ここには舞台衣装が沢山あるから、着替えには困らないだろう」

「さすがアリエルね、助かりましたわ」

お礼を言ってアリエルと別れた。



部室に入ってしばらく衣装を探していると


「これなんてどうかな」

とマリーがメイド服に着替えて話しかけてきた。


「駄目に決まってるでしょ、貴女、その恰好で授業を受けるつもりなの?」

「似合うと思うんだけどなぁ…」

彼女はくるりと一回転すると、ふわりとスカートの裾がひろがる。


確かに似合っていた、同性の私から見てもかなり魅力的に映る。

(マリーは男の子にも人気なんだけど、本人は無自覚なのよねぇ)


次にマリーが着替えたのは魔物の被り物だった

「ゴブリンだぞ、がおー」

「貴女、真面目に探す気ないでしょ…」

と頭を抱える。


このゴブリン、妙に生々しかった。

この時代の技術で作り出せるとは思えない、精巧な出来なのだ。


「とても作り物とは思えないわね…」

「討伐されたゴブリンの顔から型を取ったらしいよ」

(あ、作ったんじゃなくって本物の顔の形だったのね)


しばらくすると、アイドル衣装の中から比較的、制服に近いスカートを見つけたので

「あったわよ、マリー、これに着替えなさい」

と言って周りを見渡すが、マリーがどこにもいなかった。


(どこに行ったのかしら…全く、世話の焼ける…)



一方、別な場所では、一人の少女が不機嫌そうに校舎を歩いていた。

名前はブレンダ・ブリームと言う。

ローラに因縁をつけたグループのリーダーであった。


「エリス・バリスタ!」

と忌々しそうにその名を呼ぶ。


「復讐をするわ」


「恐れる事なんてないわ、あの娘だってただの女よ」

「男に襲わせれば、レイプ目になって『私汚れちゃった』と涙をポロポロこぼす運命なのよ」


ブレンダが曲がり角にさしかかった時、声がした。

「マリー待ちなさい!!」


どこか聞き覚えのある声だなと思っていると、曲がり角から突然ゴブリンが姿をあらわしたのだ。


「きゃあああ」

とブレンダが悲鳴をあげた。

ブレンダは混乱していた、学校に魔物がはるはずがない。


「と…とにかく、逃げなきゃ」

ブレンダは必死に走って逃げたが、ゴブリンが追いかけてくる、しかもゴブリンの後ろに、あのエリス・バリスタが居た。


「待ちなさいって言ってるでしょう!!」

何故かエリスも追いかけてくるのだ。


ブレンダは状況を整理して考え、一つの結論に到達する。


おそらく、エリスが魔物を使役して自分を襲わせているのだろう。

これは復讐を計画した自分に対する制裁なのだ。


運悪く逃げた先が行き止まりになっていて、ついにエリスに追いつかれてしまう。


ブレンダは壁に追い詰められ、ゴブリンと対峙する。

絶体絶命である。


「行き止まりに逃げるなんて、おバカさんね、もう逃げられないわよ」

とエリスが勝ち誇ったように言った。


ブレンダはエリスに懇願する

「お・・お願い、ゆ、許して…」


「貴女には、お仕置きが必要かしらね」

とエリスは怒ったような口調で言う。


「ひっ」

ブレンダは恐怖のせいか、知らない間に失禁していた。


「観念しなさい…」

とエリスが言うと距離を詰めてくる。


ゴブリンがゆっくりとブレンダに近づいてきた。

あまりの恐怖にブレンダは精神を保てなくなり、気を失ってその場に崩れ落ちた。



「観念しなさい、マリー」

とエリスが言うと、何故か壁際の少女が倒れたのが見えた。


「大丈夫ですか?」

とエリスが、倒れた少女に駆け寄るのだが、少女には意識が無い


「マリー手伝って、保健室に運ぶわ」

そう言って2人で倒れた少女を運ぶのだった。



保健の先生は、たまたま席を外していたらしい、保健室には誰もいなかった。


保健室のベッドにそっと少女を寝かせる。


マリーは着替える余裕もなくゴブリン姿のままだった。

エリスはマリーに演劇部で見つけたスカートを渡す。


「あとでちゃんとこれに着替えなさい」

「はーい」


少女は失禁していたので下着が濡れていた。

このままにしておくわけにもいかないので、エリスは少女の下着を脱がせる。

(同性だからセーフだよね)


「私は洗濯に行くからマリーはこの娘の面倒を見てて」

「保健の先生が戻ってくるまでここに居なさいよ」

と言って、エリスは保健室を後にした。


どれだけ時間が経っただろうか、ブレンダが意識を取り戻した

「あれ・・・ここは…」


気を失う前の記憶が蘇る

「そうだ、私はゴブリンに襲われて…」


ブレンダはベッドから起き上がったのだが、ふと違和感を感じた。

下半身に下着をつけている感覚がなかったのだ。


そして、横のベッドを見るとゴブリンがスースーと寝息を立てて寝ていた。

ブレンダは目の輝きを失い、『私汚れちゃった』と涙をポロポロこぼした。


エリスが保健室に戻った時は、既に少女の姿はなかった。

そして何故かベッドにマリーが寝ていたので、蹴りとばして着替えさせた。



数日後


ブレンダはエリスに呼び出された。

行きたくはなかったが、応じなければ、また酷い目にあうだろう。


エリスはブレンダに下着を渡し

「ちゃんと返しておこうと思ったの」


「この事は絶対に誰にも言わないから安心して!」

と言った。


(お漏らししたなんて噂されたら恥ずかしいものね)


ブレンダはこう思った。

エリスは念を押しに来たのだ。


"他人に話をしたらどうなるか、わかっているだろうな"

と言う意味なのだろう。


そのために、あえて下着を渡して脅迫してきたのだ。

もし誰かに話したら、ゴブリンに凌辱の限りを尽くされた自分の姿が世間に知れ渡るぞと。


「わかっています、エリス様…誰にも言いません…か…ら」


一人の少女に、エリス・バリスタと言う人物の恐怖が刻み込まれた。

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