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84 第一章
前回のあらすじ
司祭様とのお話
「話は聞かせてもらったよ!!」
バーンッと執務室の扉を開けて出てきたのは、このギルドのギルドマスターことロココちゃんである。
銀髪を靡かせながら、不敵な笑顔で俺たちの方へとやってくると胸を張り上げ、また声を続ける。
「話は聞かせてもらったよ!!!」
「何で二回言ったんだ……?」
何故か二回も同じ事を言うロココちゃん。
ふんっとふんぞり帰っている姿は見ていて可愛いが、ロココちゃんが一体何が言いたいのか一向に見えてこない。
俺と同じ気持ちなのか、司祭様もさっきから無表情でロココちゃんを眺めている。
そのせいなのか、ロココちゃんの不敵な笑顔がだんだんと崩れ、冷や汗が滲み出てきていた。
「……話は聞か──」
「いや、三回目はいいから」
俺がすかさず突っ込むをロココちゃんは消沈する。流石に三回目はいただけないね。仏の顔を三度までって言うし。
「ロココさん? あなたは一体何がしたいのですか?」
おっと、司祭様はとうとう我慢できなくなったのか口を挟んできた。まぁ確かにロココちゃん何が言いたいのかよくわからんからな。
こっちから詳細を聞いていくスタイルで行こう。
「……ええっと……ね? 二人ともさっき手合わせがどうとか言っていたでしょ? だからそれをやってみるのはどう……かな? って思ったんだけど……」
両手を人差指をちょんちょんと当てながら、言葉尻にだんだんと声が小さくなっていくロココちゃん。
何故なら司祭様が不機嫌オーラを放っているからだ。
何をそんなに不機嫌になるんだ? と聞こうと思ったら司祭様が声を上げる。
「盗み聞きをしていたのですか?」
不機嫌な事を隠そうとせずに、にっこりと笑顔をロココちゃんに向ける司祭様。
その表情を見て、ロココちゃんは顔を若干痙攣らせる。確かに怖いよね。
「いやぁ……何というか、たまたま扉の向こうから聞こえてきたというか……? まぁ、そんな感じなんだけど──まっ! それは置いといて! 手合わせの話しよ! 手合わせの!」
無理くり話を逸らしにかかるロココちゃん。
その姿に司祭様がはぁっとこめかみに手を当てながらため息を吐く。まぁ、気持ちはわからんでもない。
まぁ、いいか。
このままにしていたら、話が全く進まない。
俺はとりあえず、ロココちゃんの話に乗ることにする。
「それで、ロココちゃん。手合わせってどんな風にやるんだ? 素手? 武器あり? 魔法あり? 何でもあり?」
「まぁ、基本は何でもありのデスマッチかな?」
「……おいおい、勝手にデスマッチにするな」
「うそうそ、冗談だよ? 冗談。本気にしないでよ〜♪」
そう言って俺の後ろは周り、たおやかな手で肩を揉んでくるロココちゃん。いやちょっとそんな事されると何でも許したくなるんでやめてほしいです、はい。
ふんわりと女の子特有のいい香りもしてきて本当に勘弁して欲しい。もっとやれ!
「……まぁ、そんなに気にしていないから心配するな」
「ありがとー♪ んじゃ場所変えようかっ!!」
「ああ、そうしてくれ……ってどこに?」
俺がそういうと、ぱっと肩に置いた手を離して(超名残惜しかった)俺の後ろに立った。
「このギルドが誇る第一訓練場だよ!」
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了




