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前回のあらすじ
マリーとばったり。イテムの相談
マリーの元気いっぱいの声がドアノ向こうから聞こえてくる。
カチャリ、と開くドア。
現れたのは、赤みがかった茶髪の幼女の手を引かれ、やってきたこの教会のシスターを務めているシアンだ。
彼女を見ると、つい視線が胸の膨らみへといってしまう。修道服をこれでもかと押し上げる膨らみは男の夢そのもの。
歩くたびに揺れるホルスタイン級のおっぱいは一体何をしたらこんなにも大きくなるのかという疑問を俺に投げかける。
「マナブさん、よくいらしてくれました。歓迎いたしま──きゃあ!」
ドアの前から俺の方へと歩いてわずか三メートルの距離。
そのわずかの、しかも何も障害物のない平坦なこの床でシスターシアンはまさかのまさか、自らの足に足をとられ、俺に向かってすっ転ぶ。
「──危ないっ!」
反射的に差し出す手。
──ふにょん。
彼女を支えようと伸ばしたその手は、無意識に豊満な双丘を掴んでいた。
……いや、本当に無意識だよ? 無我の境地ともいってもいいくらい。
修道服越しでも分かるくらいの柔らかさ。その豊かな果実の感触を手に感じつつ、俺はシスターシアンへと目線合わせた。
「……大丈夫か?」
「……ええ、申し訳ございません。毎回会うたびにこうして迷惑をかけてしまって」
彼女はやんわりと謝ると、すぐに俺から離れた。……残念だ、俺としてはもっと抱き合っていてもよかったというのに。
「……シスターは何だが、いつもお兄ちゃんと抱き合っている気がする」
「──そ、そんなことは無いですよ!? これは事故なんです!」
「そうだぞ、あれはしょうがないんだ。シスターシアンはそういう星の元に生まれてきたんだ」
マリーの頭に手を置き、俺は穏やかな表情でそう口にする。
「……星の元……? よくわからないけどわかった!」
「よしよし、いい子だな。マリーは」
深く考えないその性格、俺はいいと思います。……正直、それについて突っ込まれたらいい答えは用意できなかったからな。
「それじゃあ、マリーは紅茶とお菓子を用意してくるからシスターとお話ししてて!」
「ああ、ゆっくりでいいからな」
「うん!」
マリーはそういうと、駆け足でドアから出て行った。
「……それでマナブさん。今日はどのようなご用件でいらしたのでしょうか?」
対面のソファーに座るシスターシアンは楚々とした佇まいで俺にそう問いかけた。
「そうだな、まずはこれを先に見てほしい」
バックの中から小さなツボを取り出すと、それをテーブルの上に置く。
「……これは……?」
「中を見てくれ」
不思議そうにしながらも、シスターシアンはツボを自分の方まで持ってくると封を開いた。
すると、ツボの中から香る匂いに驚いたのか、目を瞬かせる。
「──!? こ、これは普通のハチミツでは無いですね……?」
「分かるか? これはハイキラービーの巣から採ってきたハチミツだ。『極上ノハチミツ』というらしい」
「『極上ノハチミツ』!! ……これが市場に中々出回らないと言われているあの……」
目を丸くし、ツボを見つめているシスターシアン。はあ〜っと感嘆の吐息を漏らしていた。
その様子を眺めつつ、俺は言葉をいう。
「それでだな。それを使ってマットの誕生日に何かお菓子でも作ろうと思ってな。それで持ってきたんだ」
「──このハチミツを使ってですかっ!? いいのですか!? 本当に!?」
テーブルに手をついて前のめりに身を乗り出したシスターシアン。男を魅了してやまない艶かしい胸が弾むように揺れる。
ここまでたおやかに揺れる双丘に俺は目を奪われる。だが意志が硬いこと(自称)で定評がある俺はなんとかその豊乳から目をそらせることに成功した。
「……ああ、そう思っているんだが、いいか?」
「はい! もちろんです! ありがとうございます! マットもきっと喜ぶに違いありません!」
両手を絡ませ、祈るようなポーズで嬉しそうに顔を綻ばせているシスターシアン。
すると、そこでドアがトントンとノックされる。
「お兄ちゃーん! シスター! 開けてー!」
ドア越しにマリーの声が聞こえてきた。
どうやら、紅茶の用意ができたようだ。その声を聞き、すぐにシスターシアンが立ち上がるとドアの方へと向かった。
「はい、マリー。今開けますから──あっ!?」
そう口にしながら、歩いているとこれまた自然な動作でベシャリ──とそれはもう綺麗に転んだ。
一体どこに躓いたのかと疑問が尽きないが、俺の頭はそのような事を考えるよりも重要な事を処理することに使われていた。
漆黒の紐パンである。
修道服は豪快にまくりあがり、すらりと伸びる色気のある脚から徐々に視線を上げていくと見えてきたものだった。
シミひとつない大きめの安産型のお尻を包み込んでいる漆黒の紐パン。……いや後ろから見た限りだと包み込んでいるという表現では語弊があるかもしれない。
何故なら包み込んではいないからである。
パンツというものの本来の役割を果たしてはたしているのか甚だしい。理由は俺からシアンの尻は丸見えだからだ。
ただ黒い紐が割れ目にそってあるだけ。
ただそれだけ。
こんな見た目、楚々とか清楚とかで形容できそうな美人さんなのに、このような過激なお召し物をお召しだとは予想だにしなかった。
だが、決して悪いといっているわけではないのである。
これはあれだな、ギャップ萌えという奴だな。清楚の中に色気あり、とでもいうのか。
ほとんど肌の露出のない修道服だからこそ、こうして見えたときに何とも言えない感情が出てくる。見ることができてよかった。みたいなそういう感情が。
ここまででわずか二秒程度の出来事。
シアンはすぐさま、まくり上がった修道服を元に戻すと少し頬を桜色に染めて、俺の方へと視線をよこす。
「……………………見苦しいものをお見せしました」
「……いや、別に不快になど思っていない。気にしないでくれ」
シアンはすぐに立ち上がると、俺に申し訳ございません──といい軽く頭を下げてから、ドアを開けた。
「あー! やっと開けてくれてくれたー! 遅いよ、シスター!」
両手に紅茶の入ったポットとカップを乗せたトレイを持ってマリーは少し頬を膨らませながらシアンを見る。
「ごめんなさいね、少し慌ててね」
「ああー! また転んだんでしょ! シスターは本当にドジだなー!」
シアンの言葉にすぐに察したのか、笑いつつマリーはトレイをテーブルに運んだ。
俺の近くまで来ると、ニコリと満面の笑みを浮かべ、紅茶を差し出した。
「はい、お兄ちゃん。紅茶お待たせ」
「ああ、ありがとうマリー。ではみんなでいただこうか」
「はーい!」
シアンの前方のソファーへと座り、マリーは俺の隣へと腰掛ける。
その距離が拳ひとつ分も離れていない。それどころか徐々にその隙間さえ埋めてきている。
……ああ、今もう完全に埋まった。
ピッタリとくっついている。まあこのくらい問題ないか。子供だしな。
マリーの暖かな体温を隣に感じつつ、俺は紅茶へと口をつける。
白い色のカップに入った鮮やかな薄いオレンジ色の水色が目を引く紅茶だ。
「……美味しいな。……これは確か前に来た時にシアンが出してくれたのと同じものか?」
「そうだよ! シスターにこれを出しなさいって言われたんだ〜。それでね? シスターね? お兄ちゃんが来た時にだけこのいい紅茶を出すんだよ? いつもマリーが飲みたいって言ってもダメっていうのに」
「──ちょっとマリー! あんまりそういう事を言わないで! ……マナブさんは大切なお客さまなんだから当然です」
マリーの言葉にシアンは顔を赤らめると、慌てて言葉を遮るようにそういった。
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了




