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頑丈チートで異世界最強!  作者: 瀬戸くろず
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「あぁ、そんなに慌てなくていい」


「何故ですかっ! もし村に降りてきたら!」


 凄まじい勢いでおれに詰め寄ってきた姉の方。すんごいにじり寄ってくる。まぁ気持ちはわからんでもないけど。


「今はまだ大丈夫だ。Bランク冒険者が一人で足止めしている。それにおれも今から援護に向かう所だ」


「Bランク冒険者が……」


「で、でも一人であのバジリスクを足止めしているなんて……早くしないと」


「あぁ、そのためにおれが来たんだ。おれならバジリスクくらい倒すのは簡単だよ」


 一回もバジリスクとか倒した事ないけどちょっと調子に乗ってみる。神様チートがあれば大体の敵は問題ないだろ。


「確かにあの強さを見れば問題なさそうですね」


「あの動きは凄かったもんな。ゴブリンを吹き飛ばす腹パンも凄かった!」


 どうやらおれの強さは先ほどのゴブリンとの戦闘で証明できた様だ。よかったよかった。ゴブリンもおれの役に立てて本望だったろう。知らんけど。


「まぁ、取り敢えず詳しい話は馬車に戻ってからだ。連れを待たせている」


 二人を連れて、馬車へと戻る。

 歩く事数分。

 馬車が見えてきた。するとおれに気づいたのかシルクちゃんが駆け足で向かってくる。


「マナブさんっ!」


「シルクちゃん、すまん。心配かけたか?」


「はいっ! ニックさんから話を聞きましたがとても心配しました。でもマナブさんならすぐに助けて戻ってくるとも思っていました」


「そうか、すまなかった。一声かければよかったな」


 こういう一声をかける気遣いを忘れてしまうとは、いかんな。反省して次に生かそう。


「ところで助けた方々は……えっ?」


「あっ!?」


「あぁ、この二人なんだが……ん? どうしたんだ?」


 シルクちゃんと助けた二人が何やら驚きの表情を浮かべている。なんだなんだ?


「ロティ! カジ! あなた達だったのね!」


「「シルク!」」


 姉の方にシルクちゃんが抱きつく。

 どうやらシルクちゃんと知り合いの様だ。これは助ける事ができてよかった。


「なんだ? 知り合いだったのか?」


「はいっ! 先ほど話していた村のお友達です! ありがとうございます、マナブさん! 友達を助けていただいて」


「あぁ、なに気にするな。助けられると思ったから助けたまでだ」


「はいっ! マナブさんは本当に凄い方です!」


 シルクちゃんが尊敬の眼差しを向けてくる。そんな目で見ないでくれ! おれはただ神様チートを使って助けたまでなんだ。


「はいっ! とても鮮やかな戦闘でした。ゴブリンを十数体を一切苦戦する事なく倒し切るとはとんでもない実力者です!」


「あぁ、それですんごい腹パンでゴブリンを吹き飛ばしていくんだよ! あれは凄い!」


 どんだけ腹パン印象が強かったんだ? この弟くんは。さっきからおれとゴブリンの戦闘シーン腹パンの事しかいってねぇ。


「それで二人は何でゴブリンに襲われていたの?」


 と言うシルクちゃんの問いに俺が先程聞いた答えを話す。


「なるほど、やはりバジリスクが原因なのでしょうか?」


「あぁ、逃げてきた方向からすると恐らくそうだろう。だから早く対処しないといけない。長引かせると村にも被害が及ぶかもしれないからな」


「そうですよね、普段ゴブリンなんて一体もいたら珍しいところなのに十数体も現れたんです。それを考えると怖いです」


 と、ロティちゃんが呟く。それはまずいな。もうバジリスクの影響は出ているかもしれない。奴の被害は水だけではなかった様だ。


「さて、ロティちゃんとカジだったか。お前達はこれからどうするんだ? 村へ帰るのか?」


 二人はお互いを見ると、


「そうですね。村へ帰ろうかと思うのですが……」


 何やら言いづらそうにしているが、十中八九帰りが心配なのだろう。あんだけゴブリンいたし。


「アンタ、いや、マナブさん! 俺だけじゃ姉さんを守れない。どうか村までおれたちを連れて帰ってくれないか? 謝礼はちゃんと払う!」


 ふむ、どうしたもんかな。別におれはいいけど馬車が狭いんだよな〜。二人でもキツキツだし、いや、膝の上に乗せればいけるか? よし! そうしよう! 


 と、おれが知的な考えをしていると、


「……マナブさん、わたしからもお願いします。お友達をこのまま二人で帰らせるのは不安があります」


「あぁ、すまん。考え事をしていた。いや、おれは別に構わんが、まずはニックさんの意見も聞かないとな。この馬車はからの物だからな」


「それもそうですね。わたし聞いてきます」


 タタっとシルクちゃんが駆けていく。ふわりとロングのスカートをひるがえす。後ろ姿を眺めるが後ろ姿もまた美しい。天使。


「……あの」


「ん? どうした?」


 おれが天使に視線を奪われていると、背中の方から声が掛かる。


「シルクとお知り合いだったのですね」


「あぁ、彼女には懇意にしてもらっている」


 ロティちゃんは、つぶらな茶色の瞳でおれを見ている。おれとの身長差もあって上目遣いがまた可愛い。素朴な美少女って感じだな。


 日焼けがまた健康的でいいな。


「シルクとは……その、恋人なのですか?」


「……いや、恋人ではないな」


 え? 何この子、いきなり何聞いてきてんの? 聞いてきちゃってんの!? おれは鈍感系主人公ではないから、そんなこと聞いてきたら勘違いしちゃうよ?


 だが、まぁこの世界って一夫多妻は別に問題ないだろ。日本じゃないからな。元の世界でも国によって一夫多妻あったらしいけど。


「で、でもシルク、マナブさんを見る目が恋しちゃってる目をしていましたっ!」


「そ、そうか……」


 恋しちゃってる目って何!? どんな目なの? おれがいつも見ているシルクちゃんの可愛らしい目は碧眼のとても澄んだ目だよ? 恋しちゃってる目ってハートマークでも浮かんでいるのだろうか?


「わたしの予想ですが、シルクはマナブさんに恋していますよ?」


「そうなのか?」


「はい、そうなのです。いきなりですみませんが、マナブさんはシルクの事どう思っているのですか?」


「そうだな……」


 どう思っているかだなんで、大好きに決まってんだろうがっ! こんだけ毎日シルクちゃんのマジ天使って言っているおれが嫌いなわけがないだろっ! 

 

 まぁ言っているのは心の中だけど。


「嫌いではないな」


「そうですか……ちなみにシルクから告白されたらどうします?」


「それは勿論受け入れるつもりだ」  


 シルクちゃんから告白なんてされた日にはそれはもう有頂天だろ。告白の言葉の最中に返事をしてしまうくらい前のめりで行きますよ。


「なら、わたしから告白されたらどうしますか?」

 

「……何だって?」

 


5秒時間をください。


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