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「なんだ? ここは?」
目が覚めるとそこは真っ白な世界が広がっていた。見渡す限り真っ白。地面も空もだ。
いったいここはどこなんだ?
俺は、確かトラックに跳ねられそうになっていた幼女を助けて身代わりとなったはずだが?
ところであの幼女は助かったのだろうか?
突然、目の前に目も開けられないほど眩い光が出てきた。なんだなんだ?
「ほっほっほっ ワシは神じゃよ」
「かみさま?」
「そうじゃよ、君は死んでしまったのじゃ」
「俺が? 死んだって?」
何を言っているんだ。今現在俺は息もしているし意識もしっかりしている。体に違和感なんて何もないぞ?
「で、でも体に違和感なんて何もないぞ?」
「それは、ここが生と死の狭間の世界じゃからじゃ。ワシが少し干渉させてもらった」
「どうゆうことですか? それは?」
「ふむ、確かにいきなりこうゆうこと言われても訳がわからんと思う。じゃから簡単に言うと君は死んで新たに転生することになったのじゃ」
俺が転生する?
今流行りの異世界先生というやつか?
まぁ、確かに生きていた頃に未練なんかないけれど。
「で、でも転生するってどんな世界に転生するんだ?」
ここは必ず聞いておきたいところだ。
いきなりわけのわからない火山とか雪山とかに捨て置かれたら五秒で死ぬ自信がある。
「それはよくある剣と魔法の世界じゃな。お主、ゲームとかやっことないかの? ああゆう感じじゃよ」
なるほどな。剣と魔法の世界か。
そうゆうことであれば異世界を楽しめるかもしれない。やったぜ!
「本当か? でも、今のままで転生してもすぐに殺されてしまうかもしれない。だからなんか特典をくれないか?」
生身のままで異世界に行ってもすぐ死ぬだけだ。やっぱりここはチートを貰わないとな?
「もちろんじゃよ。君は身を庇って幼子を助けた功績がある。もともと力を与えるつもりじゃった」
マジか! よかった! チートなしじゃとてもじゃないけど暮らしていけなかった。神様本当ありがとう!
「ありがとう神様。ところでどんな力をもらえるんだ?」
「君に与える力は、《頑丈》じゃよ」
「《頑丈》ってなんだ?」
《頑丈》っていったいどうゆうチートなんだ? わけわからん。言葉の意味を察するにとにかくひたすら丈夫な体になるとかか?
「文字どうりの意味じゃよ。《頑丈》とはあらゆるものを丈夫をする力じゃ。自分に使ってよし、他人に使ってよし、道具に使ってよし。なんでもありじゃな」
なるほどな。そう聞くと《頑丈》って力はなかなかいいかもしれないなぁ。
「でも、丈夫になるって言ったってどのくらい丈夫なんだ? そこんとこ詳しく」
「確かにそこは気になるじゃろ。《頑丈》はな、君の行く世界のものでは傷つけることは出来んじゃろうて。神の力じゃからな」
ほうほう。それは素晴らしいんじゃないか? 俺が行く世界では《頑丈》はなかなかいい力かもしれない。どんなものにも耐えられる力ってのはありだな。
「あ、ちょっと気になるんだけど病気とかはどうなのか? やっぱりかかってしまうのか?」
「病気には一切かからんよ。なんだって神の力じゃからな! あと君の場合は常に《頑丈》が発動している感じじゃからな。わざわざ自分でかけ直すことはないぞ?」
マジか! それはいいことを聞いたぞ! いちいち自分で掛け直したり、制限時間とかがあったりとかしたらめんどいもんな。
「ありがとう! あとは特にないかな、聞きたいことは」
「ほっほっほ、そうかね? では、そろそろ異世界へ転生させたいがいいかね?」
いよいよ異世界に転生だ! なんだか緊張してきた。でも、俺には《頑丈》の力があるから取り敢えずは死ぬことはないだろう。
「よろしく! 神様!」
「では、良い人生を!」
眩い光が辺りを包み込んだ。
二度目の人生は少しばかり本気を出そうかね。
5秒時間をください。
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