陰キャと幼馴染
皆さんは"恋"したことありますか?
僕の名前は松田豊。高校1年生で、今日が入学式だ。
『豊、高校楽しみだね!』
今、話しかけてきた子が幼馴染みの佐々木陽菜。可愛くて皆に優しい。そんな陽菜のことを僕は昔から好きだった。
「別に楽しみじゃないよ。」
『なんで?』
「僕は暗いし、どうせ友達なんてできないから。」
『それは中学のときの話でしょ?高校では、また1から友達作ろうよ。豊は優しいから絶対友達できるよ!』
「ありがとう陽菜。頑張ってみるよ。」
『うん!頑張ってね!』
陽菜は僕に向かって笑顔でそう言った。
ドキッ 僕の顔が紅潮していった。
『顔赤いよ?熱あるの?』
「大丈夫だよ。」
『本当に?もし体調悪くなったら言ってね!』
「うん。ありがとう。」
(陽菜、僕は君のことが好きだ。でも君と僕じゃ釣り合わないよね。とりあえずこの気持ちは胸にしまっておこう)
『着いた!あ、あそこにクラス表貼ってある!見に行こう?』
「うん」
『あ、私1組だ!豊も1組だよ!一緒だね!』
「うん。教室行こっか。」
こうして、2人は1年1組の教室に向かった。
『豊!第一印象が大事だからね!』
「分かってるよ。席は出席番号順か。」
『そうだね。席遠いね』
「うん。じゃあまた後でね」
『うん』
隣の席は男子だった。
(陽菜に友達作るって約束したからな。話しかけてみようかな)
「ねぇ君!名前何で言うの?」
〔あ、俺?俺は山下正人だよ〕
「正人か。良い名前だね。僕は松田豊。良かったら友達にならない?」
〔豊ね。いいよ。友達になろう!〕
「ありがとう!よろしくね!」
〔おう。こちらこそよろしくな!〕
ガラガラ。教室に担任の先生らしき人が入って来た。
〈皆さん。今日からこのクラスの担任になった橋本です。よろしくお願いします。早速ですが、体育館で入学式があるので、出席番号順に廊下に並んでください。〉
〔豊!行こうぜ〕
「うん!」
『あ、豊!友達できたんだ。』
「うん。陽菜は?」
『私もできたよ!後で紹介するね。』
〔豊!この子彼女?〕
「違うよ!幼馴染みだよ。」
〔めっちゃ可愛いじゃん。あ、初めてまして。山下正人です。よろしく!〕
『初めてまして。私は佐々木陽菜です。よろしく!』
「あ、そろそろ並ばないと」
〔お、そうだな。また入学式終わってから話そうぜ〕
そして長い入学式を終えた。
『豊!これからカラオケ行かない?あ、よかったら山下くんも一緒にどう?』
「うん。行く。」
〔いいの?俺行っても?〕
『もちろん!』
「そうだよ。僕たち友達でしょ?」
〔2人共ありがとう!よし行こう!〕