クロス嬢とソラ嬢の偵察
ここは魔法が使える架空の王国。ルーチェ率いる五令嬢は毎日がハチャメチャ。日常?そんな言葉何ぞ、生まれて10秒後に吹き飛んでいったぞい!
注意1:この作品は、厨二病の筆者が厨二病の友人達に贈る、厨二病の厨二病による厨二病のための小説となっております。よって、皆様の地雷を踏み抜いてしまう恐れがございます。不安な方はプラウザバックボタンを連打して下さい。そんなん気にしないぜ!という勇者様のみ、この先へおすすみください。
注意2:またこの作品は、天青先生が書かれた短編の番外編となっております。よって、設定などは全てそちらの方を読んでいただけると有難いです。また、『書き方がちがうじゃねーか!』と思ったそこの君!作者が違うんだよ…作者が違うんだからもうしょうがないだろぉぉぉぉぉぉ!(すみませんでした)
それでは、魔法の世界へのひとときの旅へ行ってらっしゃいませ。
…おやおやどうしたんだい。え?ソラ嬢とクロス嬢が受けた襲撃についてもう少し知りたい?君は随分と好奇心旺盛だねえ。よし、それじゃあその襲撃の時まで時間を戻そうかね。そんなことできるのかって?僕はできないよ。…まあそうがっかりした顔をするんじゃないよ。僕の友人にできるやつがいるからね。そいつに頼もう。そしてついでにこの役も引き受けてもらおう。
さあさあ、承諾を得たからね、今からはあいつについていくといい。僕はここで待っているよ。
…君があいつの言っていた人かい?随分と好奇心旺盛だねぇ。え?あいつにも言われた?まああいつとは気が合うしね。それじゃあそろそろ行くとしようか。タイムトラベル魔法、スクロール・トリップ!さあ下へスクロールするんだ。まんまとかそういうのは言うんじゃないよ…。
「なあ、クロス。お土産、ちゃんと忘れやんといてや!」
「いやいやカーレス…。うちらは今から偵察に行くんやで?お土産とか買ってる暇なんかあらへんよ…。」
「まあまあ姉様、ええやんか。それに姉様だって、いっぱい硬貨持って行ってるんやから…。」
お、どうやら成功したみたいだね。今は偵察に行く前だ。門の前にクロス嬢とカーレス嬢、それにソラ嬢がいるね。あとの3人はどこにいるのかな?
「…そろそろ出てきぃーや。もう出発するんやから。」
「えぇー。もうちょっと乗りたいよー。」
「椅子ふっかふかやな!ええわ~。」
「…いやマジでそろそろ行きたいんやけど。」
「「「はーい」」」
どうやら馬車の中にいたようだね。特にファルル嬢なんかめったに外に出れないからかな。馬車の中ではしゃぎまくっているよ。お淑やかだねぇ。え?お淑やかの意味を知っているのかって?まあまあ、この後2人が君が思っているお淑やかになるからね。
「それじゃ、行ってくるわ。」
「気を付けてー」「お土産まってんでー」
馬車から2人が手を振っているね。あんなことしたら狙われるに決まっているのに…。ほら。あそこに誰かが立っている。君も気を付けてね。まあ、みんなには見えてないけど。
さてさて、あの2人はどんな感じなのかな。見てみよう。
「なあ、姉様。」
「…」
「姉様。」
…ソラ嬢は相変わらずだね。クロス嬢はもうお嬢様モードに入っているのかな?
「なあなあ、姉様。」
ほっぺたつんつんしてる。あれは危ないよ。君も見ているといい。
「…ソラ。」
「何?」
「即死魔法【ダストデッド】。」
「うわわわわああああぁぁぁぁ!!」
ソラ嬢は下に潜り込んだね。あれで正解だよ。即死魔法は方向を変えることができないからね。ただ、あたると一瞬で塵となってしまうよ。クロス嬢が怒るとあの魔法をかけてくるから君も気を付けてね。
「ったくもう…。こっちは考え事をしていたの。」
「何を考えてたの?」
「手を寒さから守る方法。」
あーそうだ、言い忘れていたね。クロス嬢とソラ嬢は今から雪鬼と雪女の国に行くんだ。まあ分かると思うけど、とっても寒いんだよね。
「…じゃあ手袋つけたらええんとちゃう?」
「その手袋を忘れたんよ。」
「…私も持ってないわ。」
万事休す。この一言に尽きるね。
「…まいっか。自分の影で手を覆えばなんとかいけるっしょ。」
クロス嬢は闇魔法が使えるんだけど、それの応用で周りの影を操ることが出来るんだ。
「私はもう我慢しよう。」
「おう。…もうすぐ入るんちゃう?」
「やーもう目の前に一面の銀世界が…きれー。」
「ホンマそれな。」
君も見えるかい?ここがさっき言っていた雪鬼と雪女の国だよ。
「…さてと。ラウトさんに会いに行くかぁ。」
「雪鬼ってどんな人なんや?」
「人じゃないんちゃうん。」
「鬼って言うくらいやし、角とか生えてるんかな。」
「まあ、そのあたりはお楽しみにしとこうや。」
「せやな。」
あ、馬車が止まったね。着いたみたいだ。
「うは~。やっぱ寒い!」
「…闇魔法【シャドウウェアー】」
あ、クロス嬢の手が黒くなったね。ちなみに魔法呪文は言わなくても発動するんだけど、言った方が確実だから、急いでいるとき以外は大体言っているよ。
「ハイト~。あ、上にいた。」
ハイトって言うのは、ソラ嬢の使い魔の名前だよ。
「ハイト~。いつも可愛いなぁ。」
クロス嬢はハイトの事を溺愛しているんだ。ん?あぁ、クロス嬢の頭に乗っているのがダーネス、クロス嬢の使い魔だよ。
「さて、遊ぶか姉様!」
「いやいやあかんやろ、ここはもうサラチア王国じゃないんやから。」
「ちぇー。」
…そういやそうだったね。もう見慣れすぎてすっかり忘れていたよ。
「…にしても綺麗だね。ソラ。」
「そうね。1年中雪が降っているんだもの。こんなにきれいなのも頷けるわ。」
「ほら。そろそろいきましょ、ソラ。私たちが行く場所はもう少し奥なのだから。」
「そうね。それじゃ、みなさんは待っててくださいな。」
みなさんって言うのは、護衛と馬車の人の事だよ。…ん?あぁ、これが外に来た時の彼女たちの喋り方なんだ。な、さっきよりはお淑やかになっているだろ?
「いやいや。私たちもついていけるところまではいきますよ。」
「そうですよ。大体、僕たちは護衛なんですから。」
「…でも、こっからは関係者以外立ち入り禁止なのですが。」
「大丈夫ですよ。何かあったらダーネスが皆様の所へ向かいますので。」
あらあら、行っちゃった。君は覚えてる?2人が馬車に乗り込んだ時、怪しい人がいたのを。まあ、何かあっても彼女達なら大丈夫だろう。でも、俺たちは彼女についていくことにしよう。
「よくおいでになられました。ソラ嬢、クロス嬢。」
「そちらこそ、わざわざお出迎えありがとうございます。ラウトさん。」
あ、あのイケメンがラウトさんみたいだね。角は…髪に隠れているのかな。あるのかないのか分からないね。ちなみにラウトさんは、雪鬼の長なんだよ。
「とりあえず、中に入ってくださいな。」
「あ、ありがとうございます。」
俺達も中に入ろうか。
「それで。えっと、偵察…でしたっけ。」
あ、そうだったね。完全に忘れていた。
「あ、はい。硬貨がちゃんと使われているかとか。」
「あと、反逆者がいないかどうか。」
「いやまあ、いないとは思うんやけどな…あ、いないとは思うんですけどね。」
今素が出たね。
「ということでで、街に行きたいのですが。」
「いいですよ。楽しんできてください。あ、僕もついていきましょうか?」
俺達はついていくからね。
「あ、じゃあ。」
「それじゃあ、準備をしてきますね。」
ラウトさんが向こうに行ったね。
「…カーレスのお土産何にしようかしら。」
「…もう結晶が入ったペンダントとかでええんちゃう?」
「…せやな。」
あ、戻ってきた。
「それじゃ、行きましょうか。」
さて。こっからは少し飛ばすとするかね。だって君が見たいのはソラ嬢とクロス嬢が襲撃されている所だもんね。ん?どんな感じだったか知りたい?んー…でもただただ買い物をして遊んではしゃいでいるだけだからね、面白くないよ。ってことでソラ嬢とクロス嬢が偵察を終えたところからまた見ていこうか。タイムトラベル魔法、スクロール・トリップ!さあ下にスクロールするといい。
「あ~楽しかった!」
「ホンマにな。やっぱ偵察は楽しいや!」
何言ってるんだよこの人たちは。
「…あれ。馬車が止まったな。」
「どうしたんや?」
クロス嬢が窓から顔を出したね。…バカかよ。おっといけない、今のは無かったことにしておくれ。
「あ、待って。」
「ん?」
「キャー―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!」
「キャー―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!」
き、急に叫びだしたな。何があったんだ?
「いくで、クロス。」
「あいよ!任せな。」
2人が馬車の外に出ていったね。クロス嬢は傘を広げて…あぁ、シールドを張ったわけか。
「私の剣捌き…腹いっぱい味わいな!」
「はいはいみなさんは馬車の中で身を隠してくださいな!」
護衛、一切役に立たない。
「私が水であいつらの動き止めるから。」
「止まり次第、あいつらが気ぃ失うようにすればええんやな!」
そういうと、ソラ嬢は大量の水を相手の足元にかけた。…みんな忘れてないよね、ここはまだ雪鬼と雪女の国。そ、めちゃくちゃ寒い。よってソラ嬢がかけた水が凍って、足止めになった。
「あー。このままほっといても凍死するけどな~。ええなぁ、最後が凍死で。」
「いや殺したらあかんやろ。」
「分かってるって。」
そういうと、クロス嬢は自分の影、馬車の影などを操って相手を気絶させた。うん、お見事。
「はい、終わり!」
「それはあいつらを縛ってからいうもんや。」
そういいつつ、クロス嬢は影で相手を縛った。すると、あの役ただずの護衛達が馬車の中からでてきた。…みんな目が充血してるけどどうしたのかな。
「ダメじゃないですか!勝手にバトルを始めちゃ。」
「それに私たちがいるんですから、お嬢様たちは馬車の中で身を守ってくれればそれでよかったのに!」
「う…でも正直言って私らの方が強いやん。」
「それに人質に取られたらうちらやって手出しできへんくなるんやから。」
「そうはいってもですねぇ…。」
あ、泣いてたのか。
「まあまあ。もう終わったことやし。ソラ、通報と報告は?」
「もう済ませてる。さ、帰りましょ。」
護衛本当にいるのかい?
「お帰りー!お土産は?」
「はい、これ。」
「おおー!めっちゃ綺麗やん!あざす!」
「大丈夫大丈夫。」
「そういやさー。なんかあったん?護衛の人目が充血してたけど。」
「ま、いろいろあったな。」
「せやね。」