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現実
「澄香、大丈夫?」
「少し、捻挫したみたい。痛い。」
私は、左足の足首を、手でさすった。
「江田、大丈夫か?」
体育の鉄二先生も、慌てて駆け寄ってきた。
「無理っぽいです。」
私は、飛び跳ねながら、片足で立った。
「御影、悪いが、保健室まで連れて行ってくれるか?」
「無理です。澄香、片足で歩けるみたいだけど、私、そんな澄香を、連れていく自信ない。先生、男だから、連れて行ってよ。先生、授業の責任者だし。」
「まぁ、そうだな。」
先生は、私を、いわゆる、お姫様抱っこをしようとしてきた。
他の生徒から、囃し立てる声や非難めいた声が、聞こえる。ちなみに、先生は、イケメンに分類される顔だ。性格も。
「先生、自分で歩けますから、肩貸してください。」
「先生が、保健室に行ってる間、みんなは、待機で。」
先生と保健室に、向かおうとしている時に、御影は、私にウインクをした。