表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

二つの人格とは何事か!?

「おーい!誰かー!」

僕は今森で迷っている…

「ナビアがあの依頼書に気付かなければなぁ…」


遡ること2時間前…


「ねぇ この依頼なんだけどさ…」

とナビアが持ってきた依頼書を見ると

「ん?報酬はいいけど…なんだこれ」

依頼内容が【極迷の森】としか書かれていなかった

通常ならば場所と【スライム5体の討伐】などの依頼内容がかかれているはずなのだが…

「どうしたんですか?」

「ほら この依頼少し変なんだ」

「これって噂になってたシークレットって言うやつじゃないですか?」

「噂?」

「はい 最近ギルドに内容不明の依頼があるって噂だったんです」

「じゃあこれって…」

「この依頼 やってやろうじゃない!」


…というナビアの勢いでそのまま依頼来てしまった

森の中に入ると

すぐに濃い霧の中で方向感覚を狂わされ

神隠しにあったかのように三人とははぐれてしまい非常に困ってる

というのが現状だ


しばらく歩いていると

「あっ!いた!」

とナビアが見つけるなりこっちにダッシュしてくる

「大丈夫?」

「ええ でも…」

「二人とはぐれたの?」

「この霧のせいでね…」

やはりこの森は少しおかしいようだ

「…ぁぁぁ」

何か悲鳴のようなのが微かに聞こえた

「ん!?ナビア!今のは!?」

「わからない でも人であるのは間違いないわ!」

「行ってみよう!」

僕たちは声の方へダッシュした


走っていると

目の前に虎のようなモンスターが

獣人?の少女を今喰らおうと近づいていた

「キマイラ!?なんでこんなところに…」

【俺】は自分の持てる最大の力でキマイラを首から切り捨てた

「ゆきと!私が気を引くから…ってゆきと どこ!?」

「ここだ…おいお前 大丈夫か?」

「もう倒してる…なんとなくわかってたけど それよりゆきと その口調なに?」

「なにが?【俺】の口調?」

俺はナビアが言っている意味がわからなかった

「いつもの一歩引いた口調じゃないぶっきらぼうな口調とか、いまの自分のことを【俺】って言ったり…」

俺はナビアに言われて初めて気づいた

自分のことを【僕】ではなく【俺】と言っていた

それに人に対するしゃべり方がよそよそしかったような気がする

まるで人格が変わってしまった気分だ

しかし自分の記憶や見た目の変化は感じられない

だが今はこの獣人?の保護を優先した方が良い

「とにかく 今はこの子の保護だ」

「まあ…そうね」

「お前 名前は?」

「…本当に幸人なのかしら」

何かナビアがぶつぶつ言っているが…

「…お兄ちゃんたちは?」

「ん?俺は幸人だ」

さすがに警戒心があるな

「私はナビアよ」

「…名前 ミーナ」

「ミーナか…なんでここにいるんだ?」

「初めてこの森に入ったの…」

「じゃあ 迷ったってこと?」

「うん…お父さんと一緒に薬になる薬草採りにきた…」

じゃあ親がいるはずなのだが

「お前の父親は?」

「さっきのあれに…ぐずっ…」

「ああ…ちょっと!直球に聞きすぎなんじゃないの!?」

「むっ…すまん」

うーん…記憶にあるなかで小さい子と話す機会がなかったからどう接すれば…

そんなことよりこの子をどうする

このまま放っておく訳には行かないだろうし…

「そうだな…おいナビア」

「ん?なに?」

「この子をとりあえず連れていくぞ」

「えっ!?でも…」

「この森を抜けたらこの子の家まで送って母親に預けよう」

母親に任せればなんとかなる…

と思っていたんだが…

「お母さん…いない…」

「えっ!?」

「なん…だと…」

「お母さんは…病気で…」

「も もういいから!…ねえゆきと」

「うーん…どうしろと…」

この子を連れて街に戻ったところでどうにか出来るわけでもない

頭を抱えそうになりながら悩んでいると

突然ミーナに服の裾を引っ張られた

「ん どうした?」

「ミーナ 置いてくの…?」

「そ そんなことしないよ!ねぇ ゆきと!」

「お おう」

「ほんと!?」

「もちろん!」

おいナビア 勝手に話を進めるな

それにあんな涙を浮かべながら上目遣いで言われたら…

「断れるわけねぇ…」

「ん?なんか言った?」

「いや…なにも」

どうしたもんかなぁ


とりあえずどうするべきか考えるため

近くの休めそうな場所を見つけて

休んでいたところ…

「ゆきとさーん!ナビアー!」

「ん?この声は…」

「アイシュだわ!」

「ナビア アイシュをここに連れてきてくれ」

「わかったわ」


ナビアが戻って来るとアイシュとイリナも一緒にいた

「お二人とも無事で良かったです!」

「それはお互い様だろ?」

「えっ?だろ?」

「はぁ…なんだかどんどんゆきとのイメージが変わってく」

「ん…ゆきとのオーラが違う…」

「どういうことですか?イリナ」

「ゆきとのオーラが…森に入る前と少し違う…まるで人が変わったみたい…」

そのうち調べる必要があるかもな

だが今は街に戻ることを優先すべきだ

「とりあえずみんな揃ったから一度街に戻るがいいな?」

「わかりました」

とアイシュが答えた

その他も頷いた

ただ一人ミーナが

「ミーナは?」

とまたも上目遣いで聞いてきた

「も もちろん連れていく 安心しろ」

「わあ!ありがとうおじさん!」

「おじさんは勘弁してくれ まだ17さいだ」

「じゃあパパ!」

「パパ!?なぜだ!?」

予想の右斜め上の名前が返ってきた

「なんだか私のパパと似てるの!」

「だからってパパは…」

困っているとナビアが

「いいんじゃない?その子がそれがいいって言ってるんだし」

「うむ…」

「ゆきと…お父さんなの?」

「いやまてイリナそういうことじゃないからな?」

「ふふ…ゆきと顔赤くなってる…」

「どういうことですか?」

ただ一人アイシュがなにもわかってないようだった…


俺たちはとりあえずミーナを連れたまま森を抜け街に戻った

だがそこで一つ問題がでた

「なぁ 今思ったんだが お前ら三人部屋だったよな?」

「そういえばそうだけどそれが?」

「ミーナどうするんだ?俺の部屋に寝かせる訳にはいかないだろ」

男の部屋に寝かせるのはなにもしなくても色々疑われる

しかし…

「えっ?」

「えっ?」

なぜだ…なぜそんな顔をする

「私はてっきりゆきとさんの部屋で世話をするのかと…」

とアイシュ

「パパ…ミーナ嫌い?」

と上目遣いのミーナ

(おい…このパターンは俺の部屋確定じゃねぇか…)

「あぁ…わかったよ ミーナは俺が面倒見る」

「お願いしますね」

するとナビアが

「変なことするんじゃないわよ?」

「安心しろ 俺にロリコンじゃない」

「いや そういうこといってるわけじゃないんだけど…」

「ふぁ…イリナ眠い…」

あくびをしながらイリナが訴えてきた

「もう今日は遅いし これからのことは明日考えよう」

「そうですね」

「わかったわ それじゃ」

「おう お休み」

「お姉ちゃんたち お休み~!」

夜中、僕はぐっすり寝ていた…のだが

「う~ん…」

「ん?」

もぞもぞと布団が動くのに目が覚めた

おそるおそる布団の中を覗くと…

ミーナが布団の中に入ってきてた

「えっと…ミーナ? ベッドはこっちじゃないよ?」

「パパ…怖いよぉ…」

寝言を言っている しかしどんな夢を見ているのだろう

恐怖で震えているようにも見える

「そうだよね…いきなり一人になったんだから怖いよね…」

僕はミーナをそのままに眠りについた…


次に目が覚めたのは6時くらいだった

「ん~よく寝たなぁ」

ミーナはまだぐっすり眠っている

僕はミーナを起こさないようにベッドから起きて着替えた

「ん…う~ん…」

「目が覚めたかい?」

「おはようパパ!」

「うーん やっぱり違和感が凄いなぁ」

前世でも父親ではないので不思議な気分だ

「おはよー!ゆきと!」

「おはようございます」

「おはよー…」

三人がわざわざ部屋に様子を見に来てくれたようだ

「うん おはよう」

「お姉ちゃんたちおはよー!」

僕たちも挨拶を返して食堂にむかった

するとナビアが

「そういえばゆきと どう?」

「どう…とは?僕は特に…」

「あっ!自分のことを僕って!」

「むっ…ゆきとのオーラが元に戻ってる」

元に戻っているのか…意識しないと気付かないんだけどなぁ

でも別に昨日の記憶が無いわけでもないし どういうことなんだろう…

悩んでいると

「まあ 元に戻ったんだし気にしないでいいんじゃない?」

とナビアが言った

「気にしないわけにはいかないけど…まあ害があるわけでもないし…そうだね 今は目の前のことに集中しようか!」

なんだか今はそんなことは別にいいと感じた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ