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15.夢のようなシンデレラストーリー?

 朝陽さんの温かい腕の中で、今この時が本当に夢じゃないのか疑わしくも思えた。

 だって、両想いってこんなに簡単になれるものなの??

 私が朝陽さんを好きだって自覚したのは、まだ本当に数日前の話。

 目の前にいる、こんなにイケメンで、優しくて、人気者で、さらに学校の先生だなんて……


 こんな田舎者のような何の取柄もない私を好きになってくれた……?

 いくら理由を聞いたところで、現実味が湧かないよ……

 

 (もしかして地球でも爆発するんじゃない??)

 そんなふうに、嬉しいながらも素直にこの状況が呑み込めないでいた。


「朝陽さん……。私超普通だし、別に特別可愛くないし……。本当に私でいいの?」

『恋人』とは?そう頭の中に映画やドラマの映像を思い浮かべるけど、どう考えても私じゃつりあわない……よね?

 電源の入っていないテレビのモニターに映っている自分と朝陽さんの姿を客観的に見ながら、とてつもない違和感を感じてしまう。


「……本当に夏帆ちゃんじゃなきゃダメなんだ。どうしてそんな事……」

 切ない眼差しを向けられると、嬉しいような……でも納得できないような複雑な感情に襲われる。


「朝陽さん、自分でも分かってるだろうけど、とっても素敵だし、私なんかよりも朝陽さんにお似合いの人なんていっぱいいるじゃない……? 分からないの……なんで私なのか……。さっき私に話してくれた事があったとしても、私、全然自信なくて……」

 俯き恥ずかしくて顔が上げられない。


「じゃあ、俺が……これから夏帆ちゃんの事どれほど大切なのか、じっくり教えてあげるよ……」

 じっと見つめる朝陽さんの真剣な眼差しに、情けない位蕩けそうになってる私が居た。


「教えるって……どうやって……?」

 自信にあふれた朝陽さんの表情から、私にそれを知らしめる手段があるのだろうけど、全く読み取れない。


「教えるのは俺得意だからさ……。夏帆ちゃんがちゃんと俺の気持ち感じてくれるまで、どれだけ時間がかかっても伝え続けるから……」

 優しい眼差しが私を包み込む。


「朝陽さん……」


「夏帆ちゃんが、俺が夏帆ちゃんの事本当に愛してるんだって感じてくれる日が来たら……、その時、本当に俺の奥さんになって欲しい」

 そう言ってもう一度朝陽さんの胸に私を引き寄せた。


 いつか……朝陽さんに愛されているって自信が持てる日が来るんだろうか?

 まだまだ、私には分からない。


 でもそんなふうに宣言してくれる朝陽さんの言葉がずっと頭の中をこだまして、全身が温められるような幸福感に満たされる。


 それにしても、朝陽さんの胸の中はなんて安心できる場所なんだろう……

 あまりの幸せな感覚が心地よすぎたみたい……

 いつの間にかウトウトと、眠ってしまっていた……




 ふと目が覚めた瞬間、目の前に朝陽さんの顔が飛び込んできた。


「あ、あれ……? 私……、ごめんなさい、寝ちゃってたみたい……」

 気が付くと私の手が朝陽さんの大きな手のひらにそっと包まれている。


 時計を見ると、夜中の12時を回っていた。

 朝陽さんとここで話し出してから2時間くらい経っている。


「ずっと、ここにいてくれたの……?」

 まさかとは思ったけど、動いた形跡のない朝陽さんの衣服や部屋の形跡を見ると眠る前と何一つ異変がない。


「あぁ。こうして夏帆ちゃんの寝顔見れるなんて、貴重すぎるだろ? ベットに寝かせようと思ったんだけど、なんだか勿体なくてさ」

 クスクスと微笑んでいる。


「ごめんな、体痛いだろ? 俺はここで寝るから、夏帆ちゃんベットに行きな?」

 そう言って私の手を取り立ち上がらせる。


「でも……朝陽さんだってここじゃ疲れるでしょ? 私部屋に戻るから」

 そう言って朝陽さんに背を向けた瞬間、フワッと身体が宙に浮いた。


「いいっていってんだろ? 甘えて欲しいんだ、俺だけに」

 軽々と私をお姫様抱っこした朝陽さんは無駄のない動きで寝室に私を運んでいく。


「でも……朝陽さんが風邪ひいちゃう……」


「青木さん、ちゃんという事聞いてください!」

 突然先生の顔になって私の頭をポンと叩いた。


 一瞬、本当に学校にいるような気分になった。

 変に緊張して、ドキドキして……逆らえない……


「……はい」


 部屋を出る間際。

「夫婦になったら……一緒に寝ような!!」

 朝陽さんはそう微笑んで部屋を出て行った。



 それからの私……?

 そりゃもう、想像通り……


 とんでもなく跳ね上がる鼓動をコントロールできないまま……

 朝陽さんの匂いのする布団に包まれて、部屋を出て行った彼の事をずっとずっと考えてた……


 急展開の一日に、どっと疲れているはずなのに……

 何度私たちが恋人同士になった場面を思い起こしても、夢じゃないのか……覚めたら現実に戻るんんじゃないかと思ったら余計に眠れなかった。


 だってそうでしょう?

 恋愛経験ゼロの私に、たった一日でこのシンデレラストーリーのような展開は……ハードル高すぎってもんでしょう……??


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