エピローグ
「ただいま~」
「あっ♪パパが帰ってきまちたよ~」
あのクリスマスの日から3年…
僕は主任に昇格して、
あの野村恵美と結婚していた。
子供も、もうすぐ1歳になる娘、彩香がいて
普通のパパをやっている。
ペコリンはあれから姿を消し、僕も、恵美も
サイトは辞めていた。
明日は引っ越しの日、
このアパートも狭くなったので
思いきって一戸建てを買ったのだ。
部屋の中は所狭しとダンボールが積まれてる。
そのダンボールの陰で娘の彩香が
何やらオモチャで遊んでるようだ…
「彩香…何してるの?」
「あ~、それ?」
「荷物を整理してたら出てきたの」
「何だか彩香がすごい気に入っちゃって…」
と妻、恵美が答えた。
「前の僕のスマホだ…こんなのがいいのか?…」
彩香は楽しみにしてたオモチャを与えられたように
キャッキャ言いながら触っている。
そして、何かの画像が開かれたら
急に真剣な顔になった。
まだ1歳の子供がこんな顔するかな?って思えるほど
食い入るように画面を見てたので
僕も気になり覗いて見た────
それは、羊のオブジェの向こうから
水平線を茜色に染めながら昇ってくる
朝日の動画だった!
そう、あの日…最期の朝にペコリンへ送った動画だ。
「残ってたんだ…」
ほんの5分程の映像の間、、、
あの夜のことが鮮明に思い出されて
涙する煌太・・・
すると、
「ありがとう…ポン太」
‼‼‼‼‼‼
「えっ!」
ペコリンの声を聞いた気がして、横を向くと・・・
娘の彩香が僕を見つめてた────




