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大人の女子会(ステラ・リュナ・ネオン・ロゼ)

R15指定です。直接的な表現は無いと思いますが嫌な方は回避して下さい。女子達の会話のやり取りの中での表現です。

「ふぁ〜」


ステラは遅い朝ごはんを食べながら大きな欠伸をした。

リュナは笑いながらステラの隣に座った。


「何よ、遅く来た割には眠そうね?昨日は早く寝たんじゃなかったっけ?」


リュナは分かっていてニヤニヤしながら話しかけている。ステラはちょっと困った顔で肩を縮こませた。

そこにネオンとロゼもやってくる。


「おはようステラ。何?なんか面白いことでもあったの?」


リュナの顔を見てロゼは何やら勘違いしたのか興味深々で話に割り込んでくる。ネオンは様子を伺っている。


「面白いっていうか。ステラが寝不足そうだから誰のせいなのかしらー?って話をね。していたの」


「リュナさん!!」


ステラは赤くなってリュナの服を引っ張っている。ネオンはからかわれているステラを気の毒そうに見ている。


「全く毎晩毎晩よくもまぁ飽きずに・・・女性の方が負担が大きいんだから考えて欲しいわよね?」


リュナは揶揄い半分心配半分で話を続けている。


「いくら好き合ってるからって節度は必要よ?せめてもう少し回数を減らしたら?」


「リュナ、そんなあからさまに・・・こういうのは片方だけの問題じゃないから中々難しいのでは?」


ネオンがかばうと今度は矛先がネオンに向かってきた。


「ふーん。ネオンは相手が求めてきたら応じちゃうんだ?」


「ち、違っ!」


ネオンはぶんぶん両手を力いっぱい振っている。リュナは盛大に溜息をついて最後はロゼに目を向けた。最後の生贄である。


「ロゼもやっぱりエルディの言いなりな訳?まぁ結構強引そうだから断りにくいかも知れないけどね」


リュナは苦笑いをうかべながらステラとネオンとで笑いあった。ロゼは目を閉じて座っている。


「・・・・・あれ?ロゼ、もしかして怒っちゃった?」


いつもと様子が違うロゼにリュナは些か焦った。揶揄いすぎただろうか?

するとロゼはいきなり自分の頭をテーブルに打ち付けそのまま動かなくなった。


「え?え?ロゼさん?大丈夫ですか?」


「何よ!どうしたどうした?」


挙動不審なロゼを皆んなが心配する中ロゼは低い声でボソボソと喋り出した。


「まだなの」


ロゼの発した言葉が理解出来ず皆顔を見合わした。

ネオンが恐る恐るロゼに尋ねる。


「え?何が?」


ネオンの言葉にううううっと唸り声を上げた後またボソリと呟いた。


「まだできてないの。私達」


(((え?)))


しばしの沈黙。


「「「ええええええええええええ?!」」」


ロゼは顔を上げられぬまま、机に突っ伏している。


「だ、だって普段あんなに仲が良いのに?何故?」


ネオンは驚きのあまり真っ先に尋ねてしまう。二人は確か付き合って一年以上たつ筈だ。


「何度も機会はあったのよ?でも、悉く失敗したというか何というか・・・・」


「じゃあ何?あんたその間ずっと我慢させてんの?」


皆、若干引いている。女性の側から見ても男性が不憫だ。


「最初は魔力が上手く抑えられなくて、それを制御する装置を作るまでと思って断っていたの。でもその後も何だかんだできっかけが無くて・・・・・」


「そうなんですね・・・・・」


「あんたそんな事してるとエルディに愛想つかされるわよ?あ。大丈夫か?魔人だから」


エルディが浮気をする所など想像出来ない。

奴はむしろロゼしか見えていない。リュナはブルリと震えた。


「じゃあきっかけを作ればいいのでは?今度借りる予定の空き家があるし、その付近の仕事をエルディと二人で行ってきてもらえばいいんじゃないですか?距離もそこそこ離れているし暫くは二人でゆっくりしてくるといいですよ」


ステラはそういうとサッと立ち上がり食堂から出て行った。そう時間が立たないうちに帰ってくるとまた椅子に座ってロゼに紙を渡す。


「私が受けてた依頼、ロゼさん達に変えておきました。明日出れば間に合いますから行ってきてもらえます?」


「でも、二人で行ったとしてどうすれば・・・・・」


「まぁ細かい事を考えてたってしょうがないわよ?いざとなったら夜這いしなさい」


ロゼはその言葉にガバリと身体を起こした。


「む、む、む、無理!!」


ロゼは真っ赤である。

彼女の可愛らしい一面に皆微笑んでしまう。


「まぁ最後まで行かなくてもいいのでは?添い寝するだけでも安らげるし気軽に行って来たら?」


ネオンの優しい言葉にロゼはしばし固まってコクリと頷いた。


(((可愛いなぁ)))



次の日ロゼとエルディは二人で依頼をこなしにラーズレイから出発した。

帰りは行き帰りを含め二週間程度だ。二人ならもっと早く着くかもしれないが。


「上手くいくといいですね?」


「そうねぇ。でも拗らせてたっぽいしなぁ」


「心配ね」


三人はとりあえずロゼの健闘を祈り影から見守るったのだった。


****



「ん〜!よく寝たぁ」


その数日後ステラはすっきりと目覚めて早起きしていた。

リュナは眠そうにステラの隣に腰掛けた。


「おはよー今日は早いね?最近はよく眠れてるの?」


ステラは苦笑いして頷いた。あの後リュナに言われて確かに負担が大きいので断れる時は断っている。カイルも子供では無いので話したら了承してくれる。


「リュナに言われて確かにこのままはマズイかと思って話して分かってもらいました」


そんな会話の中にネオンが入ってくる。


「おはよう。そういえばこんな話を数日前にしたけど、ロゼどうだったかしら?」


二人は「あ!」と声を上げる。うっかり忘れてたらしい。

ネオンは呆れた顔をした。


「多分もう帰って来てると思うのだけど、二人ともまだロゼと会ってないみたいね」


そういえばそうだ。あれからどうなったのだろう。


「ダメだったかもね。なんていったって一年も拗らせてたんだし。結局何事も無く帰って来てそうじゃない?」


「そうかしら?」


ネオンにはそうは思えない。

何度かエルディの様子を観察していたが彼がロゼと二人きりで何もしないとはネオンには思えなかった。

リュナとステラは知らないがエルディのロゼを見る目はいつもなんていうか・・・・・。


「あ!ロゼさん?」


噂をすればロゼ本人が食堂に現れた。三人は真相が気になりロゼに目線を集めた。

ロゼはプルプル震えながら若干涙目で皆の前まで来るとまた椅子に座り突っ伏してしまう。

これは、失敗したのか?


「あの、ロゼさん。そんな落ち込む事ないですよ?」


ステラはロゼの背をさすってあげる。ネオンもロゼの頭を撫で撫でしてあげた。リュナはそんなロゼを見て容赦なく疑問を投げた。


「で?どうだったの?やっぱ失敗した?」


((な、情け容赦ない))


二人は非難めいた目線をリュナに向ける。

リュナは指をロゼに向けている。そちらに目を向けるとロゼは全身真っ赤にして突っ伏している。


「目標は達成できたわ・・・・出来たけど・・・」


いまだロゼはプルプル震えている。

どうしたのだろう?


「・・・・・・・凄かった・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・。」


食堂に沈黙が落ちた。


「あんなの毎回なんて無理。考えられない。恥ずかしくて死ぬ」


「あー、ロゼ。具体的に何が無理だったの?」


「手加減してくれるって言ったから安心してたのに、あんな、あんな事何回も・・・わ、私初めてだったのに」


そのロゼの言葉にも皆ギョッとした。初めて?初めてって言った?


「え?ロゼって初めてだったの?私てっきり・・・・」


「悪かったわね!どうせ見た目だけは魔性の女よ!!エルディだって口には出さなかったけど驚いてたし・・・」


いや、まぁ普通に考えれば経験が無くてもおかしくは無い。しかしロゼほど男性にモテれば一度くらい誰かと付き合った事があるのではと思ってしまう。


「もしかして最中にそれを言ったの?する前じゃなくて?」


「いちいちそんな事言ったりする?聞かれたから答えただけよ!」


いや、それは言うだろ。

皆呆れたが大体状況が分かってしまった。


「何よ。乱暴にされちゃったの?」


「そんな事されないわ。その逆よ・・・・初めてで痛むと辛いだろうからって私がその、ちゃんと・・・」


ロゼはそう言いながらよろよろとまた机に顔を伏せた。

まぁしかし目的が達成できたのなら良かったでは無いかと三人は軽い気持ちで励ました。ロゼはいまだ真っ赤なままである。


「世の中の男ってあんなにしつこく求めて来るものなの?ステラは良く身体がもってるわよね?私には無理だわ」


ステラはそう言われて首を傾げる。


「まぁ、でもそこまででは。睡眠時間は確かに少し減りますけど」


毎日じゃなければそれほどダメージはない、筈だ。


「ま、待ってロゼ。わたし物凄く嫌な予感がするんですけど」


リュナは顔を引きつらせて恐る恐る尋ねてみた。


「まさか一度に何度も、とかじゃ無いわよね?」


バッと皆がロゼを見るとロゼはえ?っと声を出した後明らかに狼狽えた。


「え?何かおかしいの?」


「あ、あの。ごめんなさい。差し支えなければ何回ぐらい?」


そう言われてロゼは右手を広げて上げた。


「「「ご!!!」」」


そして、さらに反対の指を立てると皆が一斉に立ち上がった。


「「「エルディ!!!」」」


鬼畜。鬼畜である。

いくら何でも初心者相手にそれは無い。

皆が怒りながら食堂を出て行こうとするのをロゼは慌てて静止した。


「やめて!こんな事人に話したって知られたら精神的に死ぬ!!私が!!」


ロゼのあまりの必死さに皆は渋々足を止めた。

まぁ本人が大丈夫と言うのなら口は出せないが。


「一年分のツケは大きかったって事かしらね?次からは小出しにしてもらいなさいよ」


「まぁ多分エルディさん。きっと今頃何処かで凄く反省してるかもしれないですよ?」


ステラが何気なく言ったこの一言は実は的を射ていた。

彼はこんな女性達の会話が繰り広げられている最中ルシフェル相手に猛反省していたのだが、そんな事はいっぱいいっぱいのロゼは知る由もなかったのであった。

ちなみにこの会話をしてる頃にはバッツとステラは再会しています。

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