装備を整えよう!ロゼ×エルディ
イチャイチャします。
気にならない方だけどうぞ!
「エルディの装備って誰が用意したの?」
二人の旅が始まってから数日経ち、ロゼはふと露店を見ている時に疑問に思い聞いてみた。
「ルシフェルとラウルだ。主にラウルだな。アイツも剣士だから必要な物が何かラウルの方が詳しいだろ?」
成る程とエルディの姿をみる。
特に問題ないのだが何かしっくり来ない。
「動きにくくない?ラウルは前衛型だから装備が厚いのよ。でもエルディはそんなに必要無いと思うのだけど・・・」
「確かに少し重いかもな。まぁだが問題はない」
うーん。と考えてロゼは首を振った。
「いいえ。丁度良いから替えてしまいましょ。合わない装備は身体に負担がかかるし戦闘の時も不利になる。全部買い換えるわ」
それにはエルディがギョッとする。
それはそうとうお金がかかる筈だ。
「大丈夫。それは私が用意する。気にするなら後で返してくれてもいいし、私が頼んだ依頼を受けてくれればいいわ
正直私の護衛だけでも充分なのだけど・・・・・」
まぁきっとエルディ は納得しないだろうなとロゼは思う。
「靴もそれでは大きすぎるわね。この際今着てるのは全部売ってしまえばいいのよ。そうすればそんなにお金もかからないわ」
勝手に話を纏めてエルディを引っ張っていく。
エルディは抵抗は無駄だなと諦めて大人しくロゼに手を引かれた。
数時間後
宿屋に帰ってきたロゼはご機嫌斜めだった。
買ってきた荷物を置きエルディがそんなロゼを振り返る。
「なんだ。何が不満だ?」
装備は全部問題なく買えた。
時間はかかったが、まだ昼過ぎくらいである。
昼食は食べていなかったのでどうするか考えいたエルディは、何故か機嫌が悪くなったロゼに戸惑う。
そんなにお腹が空いていたのだろうか?
「・・・・それ。やっぱり着るの?」
は?と聞き返したくなる。
ロゼが自分で選んだのだ。
装備を替える為に買ってきたのに何だそれは。
「すまん。お前が考えている事が全くわからんのだが?」
素直にロゼの意図を問うとロゼは益々むくれた。一体なんなんだ!
「だって・・・・かっこ良すぎるんだもん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
そうなのだ。
ラウルが選んだ装備はエルディには似合わなかった。
なんというかちょっと田舎くさかった。
そこから必要最低限の物だけを残し装備した結果それは素晴らしくエルディの見栄えを良くした。
「店で試着してる間に何人がエルディを振り返ったと思う?店の店員もずっとキャーキャー言てガン見してくるし外を歩く女性だって気が付いて窓に張り付いてたし!!」
思いもかけないご機嫌斜めな理由にエルディは思わず額を押さえた。
「危険。危険よ!!これは由々しき問題よ!エルディが町中の女から狙われる!!」
ロゼが叫んだと同時にエルディがロゼを引き寄せ抱きしめる。
ロゼはびっくりして顔を上げる。
「お前な。お前がそれを言うのか?」
え?と今度はロゼが訳もわからず首を傾げる。
「お前・・・・全く気が付いてなかったみたいだがガルドエルムに居た頃それはそれは男共の目を引いていたぞ。」
「あれは、エルディの婚約者だったから・・・・」
「違う。あれは好意の目線だ。お前が分からなくとも同じ男の俺には分かる」
そう。エルディはずっと気付いていた。
周りの男達がロゼに好意を寄せている事に。
恐らくエルディが少しでも隙を見せれば奪われたかも知れない。
それは自分の近しい者でさえ安心出来ない程に。
「心配ならずっと近くで見張っていろ。俺にその気は無いが、別にかまわないぞ?」
そう言うとそのままロゼにキスをする。
これにも又驚いてロゼは固まった。しかも・・・・
「・・・・ロゼ、口を」
今まで触れるだけだった唇が開き舌が入ってきた。
それに衝撃を受け思わず離れようとして腰に回されたエルディの腕の力が強くなる。離れられない。
「・・・・ん・・・はぁ」
エルディの舌が優しく巻きついてくる。
(ひえええええええええええええ!?)
心臓が。心臓が壊れる!!と言うか足に力が入らない!
だんだん力が抜けていくロゼを感じながらエルディは少し冷静になりこの後の事を考えた。
(まずいな・・・・・止められないかもしれん)
自分の事なのに他人事のように考える。
エルディはロゼをそのままベッドへ押し倒してキスを続けている。
(え?え?え?どうしたら・・・と、言うか何故いきなりこんな事態に!?)
「ロゼ・・・・」
エルディが唇を離し、恐ろしい程の色気で見下ろしている。
ロゼは完全に惚けた顔でエルディを見上げた。
そこにとんでもない言葉が降ってきた。
「新しい服に着替えさせてくれるんだろう?」
そうだ。
そう言えばそんなこと冗談半分で口にしたっけ?
とぼんやりと思い出す。
「脱がせて。ロゼ」
その時。
ロゼの許容量は限界点を突破した。
ピキリッと窓にヒビが入る音がする。
その音にエルディはハッとした。
その窓を見、ロゼを見る。
ロゼは真っ赤な顔をして涙目で口を押さえている。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
しばし沈黙しエルディは素直に謝った。
「すまない・・・・・ご飯を食べに行こう」
やはり二人きりの旅は危険かもしれない。
エルディは近いうち誰かに声をかけてみようと思うのだった。