表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女と彼と、  作者: 結記
1/3

私と彼

私(盾の公爵令嬢)視点



よくあるよくある展開。

私は、盾の公爵家の一の姫として生まれ、僅か7歳で婚約を結んだの。

相手は、剣の公爵家の長男。

完全なる政略結婚ではあると分かっていたけども、私は彼に一目ボレしたの。

と、同時に思い出したの。

この世界は、さる乙女ゲームに酷似していると。

婚約破棄は、勿論あったわ。

このまま成長していくと、私は彼を束縛して、彼に近づく(ヒロイン)を虐め抜き、彼の手によって婚約破棄される……。

好きな人に近づく女を虐めてしまう心情は、分かるわ。

幸い、この世界は現実である。つまること、回避する術はあるわ。


この国では、16歳で親の許可さえあれば、結婚できるの。条件として一年は子を産めないが、新婚生活が一年も出来ると考えれば儲けもの。

ゲーム通りに世界が動くとしたら、ヒロインが現れるのは、学園に入って2年目。つまり17歳の時。それまでに、結婚できれば、離婚できないわ。なぜなら、貴族、それも公爵家だから!


日頃から彼に好意があることを示し、12歳になった頃には16になったら結婚したいと言う旨を両親、婚約者一家にほぼ毎日のように伝え、彼の妹とは、彼以上に仲良くなったわ。ちなみに、彼の妹は、彼にそっくりでとても可愛いの。自分の弟は、ふてぶてしいから、この愛らしさを見習ってもらいたいものだわ。

そんな、弟も彼にはなついてるから、そこは私の弟なだけあると思っているわ。


勿論、盾の公爵家の姫としての役割はきちんとわきまえているの。公私を混合することはないし、外では氷の令嬢、なんて言われてるらしけど、知ったこった無いわ。


そして、長年の苦労の果て、三つの条件のもと、結婚を許してもらったのよ。


一つ、学園はきちんと出て、盾の公爵家に恥じぬ成績を残すこと。

一つ、学園を出るまで、子供を作らないこと。

一つ、学園卒業までは、実家から通うこと。


が、条件。

学園は女子は3年なので、別に大丈夫。

この許可が下りたのが15歳の夏だったので、ほんとギリギリだったから、条件について文句言う暇がなかったのもあるの。



16の冬。私の誕生日パーティーと同時に、彼と結婚したわ。

正式な披露宴は、彼が学園を卒業してからになるので、身内だけの結婚式となったの。

それでも、社交界では私と彼が16歳で結婚をしたことは噂になり、一時期不名誉を浴びることになったけど、こっちは公爵家。すぐ消えたわ。身分って強いわね。


あ、結婚する前に、ちゃんと彼には了承してもらったのよ?と言うか、彼からプロポーズを貰ったの。

今まで私が好き好きって言うだけだったから、実のところ不安だったけど、『初めてあった時から好きだった。結婚してください』って

心臓が爆発しそうだったわ。



それから、 17歳になり、彼女(ヒロイン)は現れた。彼は靡かなかったけど、彼の友人が次々と堕ちていくのは、見事な手際だと思ったわ。

でも、大丈夫なの。だって、私は。私達は、


「ねぇ、貴方。愛してるわ」


そう、微笑みかけたら、彼は愛しそうに


「僕も愛してるよ。」


こんなに、あいしあっているのだから。

盾の公爵令嬢:美しく大人しい令嬢。婚約者を愛しており、いずれ来るヒロインに騙されないようにするため、結婚しようと考えている。


剣の公爵子息:剣の腕が立ち、すでに学園に通っている。


学園は、男子は15歳~20歳まで入ることができる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ