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⒉ 真目(6) 刀匠

「な、おまッ………簡単に言ってんじゃねぇぞッ!刀一振り造るのにどれだけ時間を要すると思って―――刀鍛冶の仕事の大変さを良く理解もしていないで勝手なこと言いやがっ………って、あのやろぉぉ…………ッ!

 言いたいことだけ言って、一方的に電話切りやがってぇぇぇ~~~ッ!な~にが、新世代の刀匠(とうしょう)だよ。………ふざけやがってッ!」


 スス汚れた格好で頭には白いタオルを巻き、いかにも鍛冶職人といった身なりをした女性ー『稀街栞奈(きまちかんな)』は腕に装着されたEPOCH(エポック)の電源を切るなり、そんなことを口にしていた。


 場所はとある作業場。


 二十代前半で長身痩躯(ちょうしんそうく)のその女性は、ため息混じりに頭を()きむしると、文句(もんく)を言い始めた。


「他のお客様の分もあるってのに、我儘(わがまま)言いやがって。それだけのお金はきっちり取らせてもらうぞ」


 そう言いつつも、早速作業に取り掛かるその女性。


 そもそも何が新世代の刀匠なのか?


 それは彼女が作る刀がどれも味を加えた特殊品ばかりで、ここ何年か前から何かと増えてきている人気ゲームや二次元アニメとのコラボで変わった日本刀を作ることが多かった栞奈は、その経験を通じて思いつきで変わり種の日本刀を作っている。


 そんな栞奈が作り出す独特の日本刀は特に外国人の間で絶大な人気を(ほこ)り、金持ちの中には特注で作って欲しいと多くの注文を受ける程だ。


 ちなみに、アニメ準拠の刀では第一に格好良さ・デザイン性を重きを置いている為、実用的で無いものが多く、当初は刀鍛冶師としての看板を背負っている以上――、そんなものを作るのは邪道だと思うこともあったそうだが、実際に武器として振るうものを作るでも無く嗜好品(観賞品)としての側面で作ると考えた結果――


 長い歴史と共に継いできた刀鍛冶師としての伝統や誇りを尊重する刀作りは、これまで通り続けていく(守っていく)のは勿論(もちろん)のこと。


 別の視点としての新しいアプローチ(クリエイター性)――“柔軟性”をもって作らないという(一方通行な)選択(考え方)は頭から離れていき、悩みを払うことが出来たのをきっかけに次々とコラボ路線でこれまでに無い日本刀の魅せ方を築いてきたという。


 かく言うブシュラも彼女の作り出す刀に魅了(みりょう)され、その影響力は凄まじく、何振りか屋敷に飾られているほどだ。


 本当ならば予約制でその二振りの短刀は先のお客様のものが出来次第に作るものだが、通常価格より多くお金を出す上にお得意さんとも言ってよいブシュラの頼みとあっては、普段から良くしてもらっている分、断りづらいところがあった。


 その為、他のお客様には悪いと思いながら二振りの短刀を作ることにした栞奈だが、まさかその刀が人に使う武器として使われるとは知る(よし)も無く――、


 栞奈は熱を加えた玉鋼を叩いて伸ばし、繰り返し折り重ね平たくしていきながら、丹精込めて打っていくのだった。

実はこのキャラクターはブシュラの他にある既存キャラとも関わりを持っているのですが、その話はまた今度。

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