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⒉ 真目(1) もう一人の転校生

 これはあの後――、彼が妹の待つ自宅へと帰ってきた時のこと。


「おかえり、兄さん」


「ただいま」


 いつものように帰ってきた時の挨拶あいさつをするなり、夕食を作って食卓を囲んでおかずをつついていると、妹の紫乃からこんな話があった。


「兄さん今日ね、(めずら)しいことに転校生が来たんだ」


「そりゃあ奇遇(きぐう)だな、実は俺が(かよ)っている高校でも転校生が来たんだ」


「えっ、そうなの!」


「それもお前が知っている人物だ」


「誰なの?すっごく気になる」


「華ちゃんって言えば分かるよな?」


「まさか、昔一緒に遊んでくれたあの華お姉ちゃん?」


「そうだよ」


「そっか、また華お姉ちゃんに会えるんだね!」


「ああ、実は引っ越してきたところはここから二軒隣(にけんとなり)だから、あっちで()らしていた時と同様、気軽に会えるさ」


「本当!……って、このまま兄さんの話を聞いていたら、こっちがしようとしていた話からどんどん(とお)ざかるところだったよ。それでなんだけど兄さん、田所麻結(たどころまゆ)ちゃんって女の子を(おぼ)えている?」


「えっと、確かお前があっちにいた時によく一緒にいた子の名前がそんなんじゃなかったっけ?」


「そうそう、その麻結ちゃんなんだけど、前に比べて雰囲気(ふんいき)がだいぶ変わっちゃったの」


 その言葉を始まりに、紫乃は今日の出来事を話し始めるのだった。

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