⒋ 分目(3) 実力を計らせてもらうわ
「それで、この子が君にそう言ってきたと……」
放課後の学校帰り、彼は今日のことを未予に話した。
「裏目魔夜です。保呂草未予さん、貴女のことも《目魂主リスト》で存じております」
「あら、確か昨日ビル街の外れで顔を見たような………忘れてしまったわ」
「そうですよね。昨日すれ違っただけの人の顔なんて、よっぽどクセのある顔でも無い限り、忘れてしまっても不思議じゃないですから。
それで保呂草さんの方からもお願いしたいのですが、是非とも私と手を組んで頂けますか?」
「それを答える前に一つ聞いても良いかしら?」
「はい、何でしょうか?」
「何故、私たちと手を組みたいと思ったのかしら?」
「大した理由じゃないんです。私はただ同じ学校の同級生ともなれば、行動を共にする機会が作れるだろうと。
そうすればお互い助け合う上では色々と効率的かと思って、一声掛けたという訳なのですが………駄目でしたか?」
「成る程――、理由は分かったわ。ならそれが効率的かどうか、確かめさせてもらえないかしら?」
「と言いますと?」
「実はこの後、この男にはバイトが控えているのよ。今日は私一人でどうしようかと色々考えていたけれど、丁度良かったわ。
取り敢えず、そう言うことだから私と二人で目魂主探しにでも行って、その実力を計らせてもらうわ。少なくとも今日だけは、私たちの間で対立しないことが前提よ」
「……確かにそちら側の立場でしたら、その人の実力が如何程なのか、下調べをするのは当然のこと。それについては一向に構いません」
「そう?話が早くて助かるわ。さてとこっちでやっておくから君は早いところ、バイトに行ってくると良いわ」
「……悪いな、未予。今日は一緒に(目魂狩り)付き合えなくて」
「何を今更――、君がお金に困っていることぐらい今に知った話じゃないんだし、そんなことで貴方が気にする必要なんて無いわ」
「そっか。……そう言ってくれると助かるよ、未予」
彼はそれだけ言い残すと、未予と魔夜の二人を後にして一人バイト先へと駆け足に去って行った。
「さてと、私たちも行きましょうか」
「そうですね」
こうして未予と魔夜の二人もまた、向かうべき目的へと足を運んで行くのだった。




