⒊ 視忍(7) 忍び寄る脅威
「……あんな奴、相手にしていられるか」
これは斬月の前に姿を曝け出した双髪少女が追い詰められていた時のこと。
短髪少女は仲間を裏切り、自分だけでも助かろうとなるべく足音を立てずにこの場から逃げ出していった。
二人の姿が見えなくなると足を止めた彼女は辺りを見回し、誰もいないことを確認すると、目魂を閉眼し能力を解除した。
「ハァ、ハァ、ハァ…………」
彼女の力は姿こそ見えないが、音をかき消すことは出来ない。誰かに勘付かれないよう、能力発動中は息をするのも一苦労である。
「ハァ………ふぅ」
一旦落ち着いた頃だろうか、悠人と未予がどこかへと走り去っていくところをふと目にした彼女は、彼の顔を見るなり何かを思い出す。
「そういやあの男、確かあいつも目魂主だったな」
悠人がこうも顔を知られているのも無理はない。
何せ彼はただ一人の男の目魂主である上に、どうしても目立ってしまう白髪を前に《目魂主リスト》では自然と目立つ存在にあるのだろう。
彼女のその様子からして、どうやら斬月に代わる次なるターゲットを悠人に変更したようだ。
「次こそは――」
彼女は能力を発動させて再びその姿を晦ますと、なるべく足音を立てずに彼らの後を追うのであった。
本編とは全く関係ありませんが、もしも『PiLLEUR DE OEiL』がコンシューマーゲーム化したら、難易度は《イージー》《ノーマル》《ハード》《目隠し》になるんですかね。
※《目隠し》は目力の使用が一切出来ない縛り設定をイメージしています。
折角なので、ゲーム化した場合のゲームオリジナルの目魂(数ある内の一つだけご紹介!)も考えてみた。
目力:【御伽放視】
絵本や原作本を目にすることで、そこに書かれたおとぎ話に登場するキャラクターやそこに出てくる場所・舞台を顕現してしまう異能
能力の対象が幼少期向けの絵本に留まらず、原典や原作本にまで及ぶ為、原典が持つダークな側面や凄惨な描写をそのまま引き出した(狂気的な)有名キャラクターも現実に呼び覚ますことが可能。
両開きに開いたBOOK型の形状をした瞳孔が特徴的な目魂。




