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サヨナラの向こう側  作者: こころ龍之介
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第八話 告げられた言葉

「大将、築地から戻りましたぁ」

優斗の声が玄関に響く。

直ぐ様、返事が有り、

「おう、お帰り。芽久美、優斗共二人で居間に来てくれや。二人に話があらぁ」

将大が誘った。

優斗と芽久美が不思議そうに顔を見合せなんだろう?と不思議がる。

芽久美は築地の帰りに、山下公園でホワイト・モカのグランデを優斗と分けあって飲んだのでご機嫌だ。

優斗が促す。

「大事な話やないかな?芽久美、行こう」

芽久美は頷くと、優斗に着いて行った。

居間の引き戸を開け、改めて、

「只今、帰りました。大将」

頭を下げて、優斗が居間に入る。

芽久美も後を追った。

将大はにこやかに二人を迎え入れ、座卓を挟んで二人並んで座る様に命じ、

「さっきは、お前らに『もう、ヤったか?』とか聞いてスマンかった」

頭を垂れ詫びた。

「もう、パパったらデリカシーが無いんだから」

芽久美は拗ねてみせた。

「まぁ、芽久美さん。この将大(ひと)も悪気が有って言った訳じゃないんだから、許してやってね」

慶子が湯飲みを四つお盆に載せ台所からやって来て、それぞれの前に置いた。

芽久美は驚き、

「美幸ママ、すいません。私がやらなくちゃいけないのに・・・」

芽久美が立とうとしたので、将大が制し、

「いいんだよ。これからずっとやって貰うんだから」

照れて答えた。

優斗と芽久美は驚き、

「!、どういう事っすか?大将?」

「!、どーゆー事なの?パパ?」

二人同時に尋ねた。

将大が答え様とするのを、慶子が止めポツリと語る。

「ゴメンね、芽久美さん。私、この将大(ひと)の赤ちゃん身籠っているの」

「だからさ、父さん、責任取って慶子と一緒になろうと思ってよ。で、だな。芽久美、お前、若女将もうやらなくていいから」

芽久美は眼を見開き驚き、

「ちょ、ちょっとパパ、それどーゆー事?」

問い詰めようとするも将大は更に、

「優斗、スマンがお前もクビだ。悪いが、ウチから出てってくれ」

優斗は将大の言葉を理解出来ずに固まっている。

「え?俺、クビっすか・・・?」

直ぐ様、芽久美が異を唱え、

「パパ、慶子さんが女将になるから、アタシがクビなのは理解(わか)るけど、何で優斗が?おかしいじゃない!」

と噛みつくが、将大は一向に相手にしようとはせず、

「しょうがねーじゃねぇか、そうしないと都合が付かねぇんだからよ」

慶子に目配せし、

「慶子、ちょっとアレ持って来てくれ」

将大は慶子に何かを要求した。

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