95話 疾風ニ選択肢ハ無イ
魔境に到着してから数分、あと少しで魔王の巣な訳だが、
「こら、くそ、どうやったらペットにできるんだ?」
……嫌な予感しかしない。
さっきから声が聞こえてくる。
「オオオオッ」
岩の影から紺色の羽毛を持つグリフォンが飛び出してきた。
「お、カヴァタじゃねぇか。なんだ?ついてきたのか?」
よく見るとグリフォンの背中に親父がしがみついていた。
「そのグリフォン、魔王だから殺すけどいいな?反論は認めないぞ」
「は?何言ってるんだ?こいつは俺のペットにすんだよ」
「俺はそいつを殺すためにここに来たんだ。殺さなかったら無駄足になる」
「俺はこいつをペットにするためにここに来たんだ。ペットに出来なかったら無駄足になる」
はぁー、面倒くさ。
ペットとかどうでもいいだろ。
「よし、一旦話し合おうじゃないか」
「話し合うと言ってもこいつはどうするんだ?」
「こうする」
いやー、デプスチェーンって便利だよね。
嘴と胴体を黒い鎖で縛られたグリフォンがそこにいるよ。
ちなみに、わざわざ魔法名を言う必要は無い。格好つけて言ってるだけだ。
でもあれだからな?厨二病とかじゃないからな?
「俺のペットに何してんだ!」
頭以外を縛られた親父が何か言っている。
さーて、少し話し合おうじゃないか。
親父のペット予定のグリフォン=息子の殺害予定の魔王=疾風魔王のグリフォン
……これは三角関係か?違うか。




