66話 守護ノ現在 勝負
技能魔王カヴァタ、私よりも強いと確信させる相手。
恐らく私を守れる力も持っているのだろう。
だが私は戦いを挑む。
これは意地だ。私の我儘に過ぎない。
守護魔神を、守ることが生き甲斐の私を守れる、そう断言されるとプライドが傷付く。
だから勝てないと分かっていても戦いを挑む。
だが、戦いを挑んだ以上最善を尽くさなければならない。
最善を尽くす以上は、絶対に勝つ。
まずは先手必勝、そう思い、私が使える中でも、最上級の魔法を放つ。
《アースガトリング》と《アースカノン》の重ね撃ちだ。
これを喰らって生き延びた者はいない。
岩と石の弾幕がカヴァタに襲い掛かる。
これなら流石にダメージを与えられるだろうと思ったが、事実は違った。
カヴァタの周りの虚空から、どこからともなく銀の煙が表れ、弾幕を綺麗さっぱり消し去ってしまったのだ。
「なに?」
流石の私もこれには驚きを隠せなかった。
そして、気付いてしまった。
強靭な鱗を用いて防ぐのかと最初は思っていたが、自分を守るのではなく、私の魔法を消し去ってしまった。
そして、その消す力の根本は、魔王の力ではない。
何か、もっと大きな何かによる力だ。
「その銀の煙、魔王の力ではないな?」
「お前、随分と勘が鋭いな。そうだ、これは魔王としての力じゃない。何の力か教える気も無いけどな。それよりこの力は勝手に発動するから気を付けろ。お前が消えちまったら俺がここに来た意味がない」
私の気付いたことは合っていたが、それを教えてはくれない。
だが、こいつの頭の中で、私を配下にすることは決定事項ののようだ。
ならば、
「何を言おうと同じことだ。私の全力を屈することができなければ、配下になどなるものか」
私の守りを越えてみよ!




