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レベル1の今は一般人さん  作者: 雪だるま


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第412射:細部の確認を

細部の確認を



Side:アキラ・ユウキ



「……目が痛い」


モニターをずっと眺めているとやはり目がしばしばしてきて痛くなる?

これって痛いのか?

どうなんだろう?

なんか、分からなくなってきた。

そんなことを考えながら、相変わらずドローンから送られてくる映像を見ているけど、道が続いているだけで特に変化があるものじゃない。

森の上空を進む映像もあれだけど、これはこれでどうなんだろう?

あ、なんか悟りに達しそう。


「アキラさーん? モニターを見ているのに見ていない顔になってますよ~?」

「あ、ヨフィアさん」


顔を横に向けるとヨフィアさんがコーヒーを持って立っていた。

いつの間に近づいてきたのかもさっぱりわからない。

そんなことに気を回す余裕もなくなっているって所か?


「えーと、反応が悪すぎですね。このアキラさん専用のメイドが来たのですからもっと喜んでもいいのですけど。それだけ疲れているのでしょうね。はい、コーヒーをどうぞ」

「あ、ありがとうございます」


俺はお礼を言って素直にコーヒーを受け取って、ブラックのまま口に流し込むと、その苦みが目の疲れを吹き飛ばし行くような感じがして、視界がはっきりしてくる気がする。


「ああー。なんかすっきりしました。それで、ヨフィアさん何かあったんですか?」

「いえ、特に変化はありませんね。こちらに来たのはアキラさんがそろそろ限界なのではと思いまして」

「あたりです」


否定する気にはならなかった。

疲れたのなら疲れたといえって田中さんも言っていたしな。


「もうモニターを見ているのがつらくて」

「わかります。画面を見ているだけって本当にきついですよねー」

「って、交代頼んできた二人は何やってるんだろう? なんか人が通るかどうかって話をしていましたけど?」

「ああ、そちらの詳しい説明はしていなかったのですね」

「はい。いきなり光に呼び出されて、かわってーって言われてそれっきりですね」


俺はそこから町にや周辺に飛ぶドローンの監視をずっとしている。

疲れて時間の経過とか、戻ってこないなーとかを考える余裕もなかった。


「では、私が代わりにご説明いたしましょう」

「ヨフィアさんは知っているんですね」

「はい。ちょっとその理由が理由なので、あと数時間はお二人ともどってきませんから」

「なんか意外と大事なんですか?」

「大事と言えますね。ではちょっとお隣をしつれいして」


そう言うとヨフィアさんは俺の隣の席に座ってモニターを見始める。


「半分は私がやりますよ。そうでもないと見てられないでしょう?」

「助かります」


本当に助かる。

これ以上モニターを多数見ていると目が痛くてたまらないというか、勝手に休憩とか、気絶していたと思う。

で、ヨフィアさんはモニターから目をそらさず説明を始める。


「まず簡単に言いますと、敵、つまり西魔連合がほぼ確実に待ち伏せをしているという情報が得られたのかもしれないんです。だからその確認のためにヒカリ様やナデシコ様が慌てて動いているというわけです」

「敵が待ち伏せをしているのがほぼ確実。理由を聞いても?」


俺はいまいちわからなくて聞いてみる。


「それが今アキラさんがやっている監視と関係あるんですよ。人が通っているかって話でしたでしょう?」

「ええ。人が全然通らなくて……あ、そういうことか」


ここまで話されてようやく分かった気がする。


「戦争で人が通らないとか思っていましたけど、そういうことですか。意図的に封鎖しているってことですか?」

「おお、流石はアキラさん。これだけでわかるとか」

「いや、わかりますよ。よくよく考えれば故郷をノスアムを離れている人たちだっているはずですからね。戦争になったからって人の行き来がゼロになるっていうのはありえないですよね」


家族が残る町に危険だからって近づかないって人は少数だとおもう。

誰だって家族の安否が気になるし、助け出そうとするはずだ。

商人とかなら商売にならないと思ってこないっていうのはあると思うけど、町の出入りはそれだけじゃないしな。

つまり、ドローンで人が確認できないってことは、敵が何かの目的で封鎖しているってことになるわけだ。

今回に限ると、こちらに情報を渡さないため。

なぜというと、こちらに対する何かしらの作戦が動いているからだろうな。

そうでもないと逆に人をやって情報を集めた方がいいし。

ノスアムの人に紛れ込ませるとかやりようはあるはずだったのにそれがない。


「で、どうなっているんですか?」

「まだ微妙なところなんですよ。ヒカリ様がジェヤナ様に話をして、今門番たちから聞き込みをしているところです。ナデシコ様はジョシー様に連絡を取ったあとタナカ様から連絡がきて色々大変そうです。向こうも人の出入りに関して色々感じているようですからね」


なるほど、2人は人の出入りに関する情報の共有で動いているってことか。

そうなると、俺がここでモニターを眺めていることは手助けになっている。


「はぁ、そういう理由なら延長で頑張らないといけないですね」

「そうですねー。辛いですけど頑張りましょう」

「はい。ですけど……」


俺はそういいつつ、モニターにいままで取得していたドローンからの写真地図と、ジェヤナからもらった落書き地図を並べて表示する。


「この地図がどうかしましたか?」

「いえ、人の出入りの話を聞いて、もうちょっと効率よく探せないかなーと思いまして、あと穴がないかなーと」


俺は地図を眺めながら、説明をする。


「今、ヒカリとナデシコがドローンを送っているのはノスアム西砦を超えた先の町です。道に人がいないかを確認しながら。そして、ノスアム周辺の索敵用に数機のドローンが展開しています」

「そうですね。ノスアムつながる主要道といえば、西砦から次の町と、東側に通る山道。それとは別にノスアムを中心として細々と運営をしている村が7つぐらいですね」

「はい。そうですね。そして山道はこっちが占領しているも同然で人の通りはないです。元からあまりないとは聞いていましたけど、今回の戦争で人の行き来は物資の補給ぐらいでしたし、でもその補給もどうやっていたのかって話が上がっていました」

「あー、ありましたね。まあ、定期的に空からアイテムバッグに詰めて持って行ってたのではって話にまとまっていますけど」


そこも不思議なんだよな。

結局南側の防衛戦が崩れたのは事実なんだ。

とはいえ、ノスアムにはそこまで戦力がなかった。

こっちの速攻に対応できなかったにしろ、空からの輸送手段があるのなら偵察にも使っていそうなもんだけど、そういう話も上級将校からは普通に補給がされていたとしか聞き出せていないと田中さんが言っていた。

あの田中さんが尋問相手になって黙っていられるか?


「それは俺も疑問に思っていました。空から来るなら今までで来ていたもおかしくないですし、ノスアムから確かに敵が来たって連絡はしたってジェヤナは言っていましたけど、結局今のところ空に敵が来たって報告はないです。つまり……」

「ああ、ノスアム周辺の村が怪しいってことですか?」

「まあ、今のところはですけど。とはいえ、普通は沢山の物資を持ってきているだろうし、それがまだなくなる前だったとかならありますけど」

「そっちの可能性もありますねー」


今では考えられないんだけど、昔、日本の戦国時代とかは持ってきた食料を食べつくしたら戦争が終わりって時期があったようだ。

占領地の土地で買えばいいじゃんとともったけど、なんかそういうのはなかったみたい。

もともと配分だけの量で占領できないなら無理だって判断らしい。

まあ、それも正しいとは思う。

今回もそういう可能性もゼロじゃないけど、そういうのはちゃんと調べてからだろう。

ということで……。


「ちょっと村を確認するためにドローンを飛ばしますけど、半分お願いできますか?」

「いいですよー。しらみつぶしは必要ですし」


ということで、俺たちは俺たちで怪しいところがないか調べていくことになる。

やる気があるのとないので、やっぱり疲れって差が出るよなー。



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