表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル1の今は一般人さん  作者: 雪だるま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

325/523

第322射:次の行動へ

次の行動へ



Side:タダノリ・タナカ



「よかったのかのう、タナカ殿?」


そう心配そうな声で話しかけてくるのはマノジルの爺さんだ。


「よかったもなにも、仲良くなるまで待つわけにもいかないからな。これで無理だっていうなら部署は別だ」


俺はジョシーの案内に結城君たちをつけた。

あれだけ思い悩んでいた相手だ。

今すぐ協力できるかどうかの判断は必要だ。


「あそこまでする必要はあったのですか? 私が変わってもよかったのですが……」

「お姫さんが傭兵の案内とかできるわけないだろう」

「タナカ殿の言う通りですが、勇者様たちも案内としては不適切では?」


お姫さんとメイドのカチュアもどうにも不安らしい。

だが……。


「別に結城君たちだけが案内しているわけじゃない。ゼランとノールタル、ヨフィアもいるから心配いらん。これで何か起こるならそれまでってことだ。それに俺たちは俺たちでやることがある」


俺はそう言ってさっさと視線を切って、改めてドローンで煙が収まりつつある地点を監視している。


「しっかり全員死んでくれているとありがたいんだがな」

「いまだに煙が収まらぬか。一体どれだけすごい威力だったのか……」


どれだけすごいっていうか、爆弾で吹き飛ばした後にドローンからのナパーム投下をして徹底的に焼却消毒したからな。

煙は燃えたモノの煙もあるだろう。

とはいえ、今後の予定を話したり、ジョシーの遺体を取りに行ったりとしていてかれこれ3時間ほどたっているのでずいぶん煙も晴れてきた。


「お姫さんにカチュア。監視範囲に何か映ったとかはあるか?」

「いえ、そのような報告はありませんわ」

「こちらも同じです。そもそもあの規模の爆発で人が、いえ、生き物が生き残れるのでしょうか?」

「たしかにのう。あれほどの爆発は見たこともないからのう」

「普通は死ぬ。でも相手は魔族だからな。油断していいわけじゃない」


こういうやつは徹底的にしないと思いもよらぬ方法で生きていることがあるからな。

幸い今のところ監視網にも引っ掛かっていないようで何よりだ。

これで殺せないなら、厄介すぎるからな。

そんなことを考えつつ、爆心地の監視を続けていると、お姫さんが思い出したように……。


「そういえば、各偵察隊の方々はこの爆発で被害を受けてはいないのでしょうか?」

「そっちは大丈夫ではないかと。爆心地にはいませんでしたし、多少爆風を受けるということはあったでしょうが……」


爆風を受けて気絶することはあっても死ぬようなレベルじゃないからそこは心配はしていない。


「いや、そういえばこの爆発を見てどう報告するのか心配じゃな。そこは大丈夫なのかのう?」

「そこも考えている。というかこれが狙いだ。確実に何かあったというのは伝わるからな。これで俺たちが始末したといえば、信ぴょう性が出るだろう?」

「……確かに、何かわからない方法で敵を倒したというよりも、これ以上にわかりやすい方法もないですわ」

「そしてこれから交渉する領主や国相手にも牽制となるわけですね」

「そういうことだ。この火力を持つ国とことを構えるのかってな」

「ふむ。勇者殿たちやワシらの安全を考えるとこれぐらいがいいのかもしれんのう」

「ですが、その魔族がいないのです。そこはどう説明するのですか? まとめて吹き飛ばしてしまっては……」

「だからこその偵察隊だろ。もうすぐ戻ってきて上層部に説明するはずだ。領主軍の方は全滅したが、冒険者ギルド、ギナスの裏社会チームが組んで訴えれば無視するわけにもいかないだろうさ。何より、強さを見せろっていうなら普通に見せていいしな」


大事なのはこっちが戦力になるということと、バックにはしっかり国がいるというのを証明することが大事だ。

今回の大爆発は国のバックアップがあってこそというのを押し出す予定だ。

俺個人でできることだと思われると俺をうまく使えばとか考える連中がでるからな。

国の許可がいるというのを押し出すわけだ。

だからこそ、結城君たちはもちろん、お姫さんたちを無視するわけにはいかなくなる。


「なるほど。これでこのシャノウの領主は私たちと面会をせざるを得ないというわけですね」

「ですね。こんな報告を受けておいて、私たちとの話し合いを避けるようでは領主失格でしょう。とはいえ、本国がどう受け取るかはわかりませんが。それこそタナカ殿が実力を見せれば何とかなるでしょう」

「建前上は個人の力ではなく国をバックにというわけですか。普通は逆のような気もしますが……」

「時と場合ってやつだな。個人でできるなら国を通さなくてもいいだろうと考えるバカもいるからな。国からのバックアップがなければ使えないと思われた方が、マノジルが言うように俺たちの安全につながる」


今までさんざん迷惑をかけられてきたんだ、こういう時は存分に利用させてもらうさ。

さて、ドローンも煙があらかた晴れてきたので、爆心地に近づくと……。


「……何ものこっていませんわね」

「黒い炭みたいなのはありますね。あはは……」


お姫さんの言葉に聖女さんが乾いた笑いをしながら感想を言う。

ナパームもまいたからな、きれいさっぱり燃えたようだ。


「生存者は……やはりおらんのう」

「幸いだったな。とはいえ、見に行くときは武装はさせてもらうけどな」


映像を見る限り生存者はいない。

魔族がいた地点にいるのだが、そこには生物は存在していない。

めくれ上がった土が焦げているだけだ。

多少真っ黒な炭が存在しているが、それも人を連想されるものはない。

きれいさっぱり汚物は焼却したようだ。


「お待ちください。映像で確認できているのですから、わざわざタナカ殿が向かう必要があるのでしょうか?」

「現場を確認するっていうのは調査では大事なことだからな。ドローンでは確認できないことがあるわけだ。まあ、何かが確実に見つかるわけでもないが、俺としては今回のことはしっかり確認しておきたい」


何せ相手は摩訶不思議な化け物魔族だからな。

何かヒントが見つかればいいとは思っている。

情報収集を怠ると死ぬのは自分だし、そこは外せないわけだ。


「あとは……」


俺は爆心地の映像は小さくして、次はシャノウの町の映像に切り替える。


「外周には異常はないな。しかし、この状況で港から敵が来るか……」

「何かおかしい点でも?」


俺の言葉にお姫さんが眉をひそめてそういう。

おそらく俺が信じていないと思っているんだろうな。

いや、そこまで信じてはいないのは事実だが、俺が疑問に思っているのは……。


「敵が攻めてくるっていうのは何かしら目的があるからだ。だからそこから考えてどこを守るべきかを考える。これが当然なのはわかるよな?」

「はい。そのぐらいは」


お姫さんはそう返事をする。

ほかのメンバーもそれは理解しているようで頷く。


「お姫さんの予知から予測、敵の目的を考えてみたんだがちょっと目的が見えてこない」

「というと?」

「確認だが、予知はゼランの倉庫兼自宅の窓から港に魔族が上陸して民衆が町の中心部に逃げているって話だったよな?」

「はい。その通りです」

「敵の数も不明だったんだよな?」

「はい。ですが、大挙として敵兵が上陸しているということはなく、魔族と思しきモノが人々を襲っていたぐらいなので数としてはそこまで多くはないかと」

「そこがよくわからないんだよな。民衆を襲う暇があるなら、敵の急所を一気に攻めた方がいい。特に人数が少ないなら特にだ」


いくら勝てるとはいえ、一人一人殺すのは実に面倒なことだからな。

じゃあ、ただの人殺しをするために港からきたんじゃね?という可能性もゼロじゃないが、人殺しを楽しみたいなら門から堂々と行ったほうが楽しめるだろう。

何か目的があって港から来たんだろうが、お粗末すぎるというのが俺の感想だ。


「確かにそうですねー。要人や要所を狙うならそんなに目立つと少人数だとどうしても手間取りますからね」

「エルジュの言う通りですね。要人に限っては逃げ出してしまう可能性もあります」


聖女さんと女王の言う通り、要人や要所を落とすという目的が達成できなくなるのだ。

まあ、魔族がただのあほだったという可能性もある。

ノルマンディー港にきたあの魔族も存分に暴れていたからな。

偵察したならいったん帰ればいいものを。

いや、ちょっとまて……。


「タナカ殿。言いづらいんじゃが、ノルマンディー港にきた魔族はただ単独で殺しを楽しんでいるように見えた。つまりバカだということじゃ。そっちの可能性はないかのう?」

「……絶対ないとは言い切れないな。何より吹き飛ばした連中もよくわからん行軍していたし」


そうだ。

吹き飛ばしたバカ連中は偵察隊を見つけたら方向を変えてシャノウを目指して移動を始めたからな。

おかげでわざわざ作ったゾンビの手ごまが全て吹っ飛ぶことになった。

せめて部隊を分ければよかったのに全軍こっちに来たからな。

と、そんなことを考えていると。


「正門にギナス様、スラムから出た第一報偵察が戻りました」


カチュアからそんな報告が届きこちらもモニターを確認してみると血相を変えて門へと走る人が確認できる。

スラムから派遣された割にはしっかりと動いているからちゃんとそういう教育をしているんだろうなと感心する。

それぐらいの私兵がないと裏社会は牛耳れないってことだろうが。


「これからギナスさんのところへ行くのですか?」

「いや、向こうから連絡を取ってきてからだな。何より……」


俺はさらにモニターのある点に視線を向ける。

そこには……。


「ジョシーがどう動くか見ておく必要はあるからな」


俺がそういうとみんな同じようにジョシーが映るモニターに視線を向ける。

だが……。


「……なぜヒカリやノールタルと仲良く果物をかじっているのでしょうか?」

「さあ。知らん」


ジョシーは意外とルクセン君たちと打ち解けているようだ。

トリガーハッピーにそういう技能があったのかと正直驚きでしかない。



こうして圧倒的な国力(田中)を背景としてシャノウを治める領主と会うことができるのか!

そして魔族は全員きれいさっぱり死んでいるのか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ