表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
first  作者: 真織
5/9

5

私は、好きだった先輩を追いかけて、高校に入り、部活に入った。中学時代から、3年越しの片思い。

結果は...撃沈。

あっさり振られて、当の先輩は、語学力磨をくため、留学中だ。

「でも、なんで、来住が知ってんの?」

私は、先輩のことを誰にも言った覚えはない。

「わかるよ」

と、来住は言った。

「センパイは、ずっと先輩を見てたから」

来住が先輩と接したのは、ほんの数か月だ。来住たち一年生が入ってきて、すぐに先輩の留学話が持ち上がった。

私は、その時すでに振られていて、それでもまだ瞳は彼を追っていた。

...それに、来住は気づいていた?

「俺は、ずっと先輩を...りかを見てたから」

来住は、きっぱりと言い切った。赤面もせずに、よくもそんなことが言えるもんだ。

「なんで、私なの?」

聞くと、

「さあ?」

ただ私を見つめ返す。

隣に、ちょっと手を動かせば触れるほど近いところに、こうして座っているのが、なんだか気詰まりになってくる。

「さっき言ったっしょ? 理想だって」

あんまり軽く言うから、

「外見だけじゃ、わからないでしょ」

反発すると、

「ちゃんと中身も見てます」

そんなことを言う。

「もう、先輩のそばに2年もいるんだよ?」

嘘をつけ。まだ、1年と数か月じゃないか。

「だからって!」

声を荒げてしまった。

そんな自分を反省して、私は、椅子の上で少し小さくなる。

「たとえば」

来住が、諭すようにゆっくりと話す。

「俺がドアを開けて待ってると、先輩は、ありがとうって言ってくれるだろ?」

「そのくらい...」

私が口を挟みかけると、来住は、まあ聞いて、と続けた。

「結構、トーゼンって顔して通ってくヤツもいるんだ。...今日のことにしたって。俺が、無理矢理誘ったんだから、すっぽかしたってよかったんだ。でも、先輩は、ちゃんと来てくれた」








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ