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first  作者: 真織
3/9

3

来住の選択は、流行りのSFアクション。ハラハラドキドキ、誰でも楽しめるような、肩の凝らない映画。ラブストーリーじゃなくて、私は正直ほっとしていた。

「恋愛ものは、きついでしょ?」

来住が、私をからかうように言う。実際、自分がキツイと思ってるくせに。

私が肩を竦めてる間に、来住は、さっさと窓口でチケットを買ってきてしまった。お財布を出そうとすると、

「いいよ」

「よくない」

で、押し問答。

私って強情かも。

でも、来住は、綺麗に笑って、

「今日は、俺が無理に誘ったから。また今度、奢って?」

と言った。

「今度?」

「そ。貸し作っとくと、も一回会えるでしょ?」

さも嬉しそうに言う。私の性格を把握した上で、結構コイツもしたたかかもしれない。

仕方なく、一旦出した財布を鞄に戻す。ちょっと情けない感じがした。

半券を切ってもらって、ロビーに入る。

「りか、なんか、いる?」

どうやら、ポップコーンとかジュースとか、その類いのことを指しているらしい。

「あ、パス」

私が言うと、彼も頷いた。

「俺、上映中にモノ食べたりって、ちょっとどうかと思うから」

だって。それには、私も同意見。せっかく見に来てる人の邪魔になるべきじゃない。

そうして、来住は、先にドアを開けて、待っていてくれる。

「ありがとう」

微笑むと、

「いえいえ」

微笑みが返って来た。





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