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first  作者: 真織
1/9

1

誰だって、一番好きなひとの隣で笑っていたい。

見渡せば、街は、恋人たちで溢れてる...

...あなたの隣にいるのは、一番好きなひとですか?





☆ ☆ ☆






「りかセンパイ」

呼ばれて、首を傾ける。

斜め上、仰角30度。彼は、私より頭ひとつ背が高い。

「あ、宮崎先輩」

私が怪訝そうに見上げたからだろうか、彼が慌てて言い直した。

「いいよ、さっきので。それに、先輩も、なしね。学校にいるわけじゃないんだから」

私は言った。あんまり外で、先輩センパイ言われたくない。

すると、彼は嬉しそうに、

「じゃ、どっか行きたいとこ、ありますか?」

と、勢い込む。

駅の改札を出て、地下街に下りる階段の横手に私達は立っていた。待ち合わせたはいいものの、なんだか、ぎこちない。

二人とも時間より少し早めに着いてしまい、私は、約束した相手を前にしながら、ぼんやり街往く人の群れを眺めていた。

そんな自分を振り払って、

「敬語もやめてよー。いつも、そんなんじゃないくせに」

私は、すこおしテンポを軽くして笑った。つられて彼もちょっと笑う。

緊張、解けたかな。

「んじゃ、りか。俺、見たい映画あるんだけど、いい?」

急にいつもの来住(くずみ)に戻る。いいんだけど。いきなり、呼び捨て、ね。

年下のくせに、偉そうなのよ。

「いーよ、もう。今日は、来住に任せる」

私が苦笑しながら言うと、

「よーし」

と、気合いを入れて、彼は私の手を引いて歩き出す。

心臓が、ことんと音をたてた。




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