2-1 牢獄の中
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牢獄、かび臭い木の匂い、味のしないご飯、汚らしいアイツ。
それが私を取り巻く世界の全て。
うんざりしすぎて、うんざりする感覚がわからなくなるぐらい、
この世界にはうんざりしていた。
不幸中の幸いで、アイツは私に飽きたのか、
長い間、ご飯を置いていく以外に、私に何もしてこない。
その代わりにアイツは最近、新しいオモチャを探してきては、
この牢獄に捕えて遊んでいる。
この屋敷の大きさなど牢に居る私は知らないが、
まさか、何人も閉じ込められる程広い牢があるなんて。
最近、アイツが外から人をさらって来る頻度が増している。
あの人が助けに来てくれたら、その後でアイツを警察に突き出して、
皆を解放してやるのに。
これから私のようにアイツにいたぶられる人が増えていくのかと思うと、
胸が痛い。
早く、速く、はやく、ハヤク、はやくはやくハヤクハヤクハヤク、はやく来て、
私はずっとあなたを待っている。
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