表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の牢獄  作者: コガラシ
1/14

1-1 囚われの少女

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  

 窓の外、枝垂桜が世界を桜色で覆い尽くす勢いで咲いている。

 桜を通して窓から入る光が、かび臭い牢屋の中にまで陽の空気を運んでくれる。

 もう、何年ここに閉じ込められているのかさえ、

 解らなくなってきてどれぐらい経つのだろうか。

 きっと、私は自由だけでなく、時間の概念さえ奪われたに違いない。

 私はもう枝垂桜がいつ咲いたかさえ思い出せないのだ。

 

 いつだったろうか、母親と喧嘩した後、気分転換に夜桜を見ようと、

 親への反抗も兼ねて散歩に出かけた先で、急に後頭部が重くなったかと思うと、

 そのままガタリと倒れ、

 ゼンマイがきれたくるみ割り人形のように私は動けなくなってしまった。

 そして起きた後、私は此処にいて、目の前にアイツがいた。

 その後の事は思い出したくもない。

 

 こんな状況で正気を保っている自分を誰か褒めて欲しい。

 でも、私がまだ私でいれるのは私の力ではなく、この桜とあの人のおかげなんだ。

 いつか、私を助けてくれるあの人と、

 いつか、あの桜の下で一緒にお弁当を食べるんだ。

 精一杯オシャレして、カワイイお弁当もっていって、この桜の下であの人と。 

 きっとこの牢の窓から刺す光が私とあの人と世界を繋いでいる。

 いつかきっと、優しいあの人が光と共に現れて、助け出してくれるんだ。

 

 私は祈り続ける。

 早く、速く、ハヤく、あの人がどうか この牢獄から、私を連れ出してくれるように

 そして、あの枝垂桜の下に。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

囚われの少女と探偵の視点を切り替えて物語を展開していきたいと思ってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ