爪
虫等の表現がありますので気をつけて。
なぜ私は座っているのだろう。なぜ私はこの部屋にいるのだろう。なぜ私は今寒いのだろう。なぜ朝に起きたときに、私は拷問を受けているのだろう。
誰か、私を助けてください。誰か、どうか助けてください。
私は、私は何も、何もしていません。何も悪いことをしていません。お願いします、誰か。
でも、それでも、拷問は続きます。あの人が部屋に入ってきました。誰かは分かりません。マスクをかぶっているので。
でもその人が言います。
「あなたは罪を犯した。そのために罰としてこんなことをしているのだ」と。
私は言いました。「私は何もしていない。覚えていない。知らない。助けてくれ」と。
でもその人は、私の爪を——右手の親指の爪を——はがしてしまいました。
痛い、痛いというものではなく、まるで溶岩がこの身を襲うほどに、寒気と熱気を同時に覚えて、とにかく死神かと、その人のことを思ってしまうほどに恐ろしく、残酷で、とにかく痛いのです。
これは毎日行われております。私は毎日、爪をはがされています。これで十七枚目です。
その人は言いました。
「二十枚すべてはがしたら、次は目、鼻、口、耳、性器、すべてをなくす。お前のすべてをなくす」と。
私はもうとっくに耐えきれませんでした。私はとっくに狂っていました。
その日の次の日に、またその人はやってきました。爪をはがしに、です。
私は叫びました。
「もう爪は嫌だ! もう嫌だ!」と叫びました。
でも、何もやめてくれません。この人は狂っていると思わずにはいられません。
私はもう死ぬでしょう。死んでしまうでしょう。
ただ、少し疑問に思うことがあります。あの人が口にすることです。
その人は「すべてをなくす」と言いました。それが少し疑問でした。
私は生まれてから、恨みを買ったことがない。
何も敵などいない、平穏な毎日を過ごしてきました。
なのにあの人は、私を目の敵にして恨んでいます。
なぜこんなにも恨んでいるのか、不思議です。
私はこんなにも苦痛にさいなまれながら生きねばならないほど、憎まれている——つまり、憎まれているのかと。
つまり、私の人生のどこかにあの人は出てきたのです。どこでかは思い出せませんが……。
嫌だ、また来てしまいました。来てしまいました。また爪を——もう爪はありません。どうかもう殺してください。お願いします。
でも私は、死にたくなる中で少し思い出しました。
それは昔々、私が殺した虫のことです。
私は子どものころにアリを潰して、潰して遊んでいました。
それは楽しかったという思い出です。
私は何匹、何十匹と殺しました。アリの体液——潰した液体がよく爪にこびりついて、よく洗っていました。
私は清潔な人間ですので、爪は手入れしています。忘れたことはありません。
もしかして、昔のアリが出てきたのでしょうか。
私の罪とは、報い、「無垢なる残酷さ」とでも言うのでしょうか。
私は聞きました。
「私はアリを殺しました。許されるかは分かりませんが、どうか、どうかお許しください」と。
「あなたを許すことはできない。でも、残り五日の拷問を死なずに耐えたとき、あなたを解放する」と。
私はうなずきました。「耐えます。耐えてみせます」と。
その日からの五日間の出来事は、見事に私を狂わせるのに貢献しました。
私の目、鼻、口、性器、内臓をつぶしたのです。
もう私は、私であることが不思議なくらいに、私でなくなっていきました。
そして今日——約束の日です。
私は約束をずっと、ずっと覚えて生きていました。
そしてあの人はやってきて、私にこう言いました。
「ありがとう。聞こえてるか分からないけど、あなたは罪を償った。あなたを解放する」と。
私は言いました。「本当に? 本当ですか?」と。
すると言いました。
「あなた以外にも罪を償うべき人がいて、あなたばかりに構っていられないのでもう帰っていいよ」と。
そして——私の目が破裂するくらいの痛みが走ったと思ったら、気づくとそこは——
私の部屋でした。
すべての傷は治っていました。
あれ……私は何の夢を見ていたんだっけ。




