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プロローグ 『歯車は、あの日から回り始めた』

【ワールドガイド:呪機継承世界《狩懸 - Karakake -】


--- ■ 概要


かつて「現代」が終焉を迎えた後。


科学と霊術、機械と神性が融合した“後呪術時代”に、人類は新たな都市を築いた。


その名も――狩懸からかけ


呪術による機構制御、御霊を媒体とするエネルギー技術、そして魂を器に織り込む継承術。


この都市では、絡繰からくりと呼ばれる存在が都市を支え、そして戦い、そして……心を宿している。


--- ■ 地勢


狩懸都市は五つのエリアで構成されている。


| 区域 | 名称 | 特徴 |

|------|------|------|

上街区じょうがいく 【神路区かみじく 神名を刻まれた絡繰(神体)が眠る神域。上級士族と神職が支配する。 |


| 中央区 【機苑街きえんがい】 | 絡繰とアンドロイドの工房が密集する職人街。操者・技匠たちの拠点。 |


| 南区 【籠ノ市かごのいち】 | 絡繰市場と御霊交易の拠点。非公式な呪具も取引される危険地帯。 |


| 北区 【御影廃街みかげはいがい】 | 旧絡繰研究都市の遺構群。暴走兵器や未登記絡繰が彷徨う危険区域。 |


| 外縁部 【反魂辺境はんごんへんきょう】 | 霊界との接点が最も薄いが、最も“魂が濃い”場所とされる。禁忌地帯。 |


--- ■ 絡繰からくりとは


魂を刻まれた人工構造体。金属・木・布・石・霊素などの素材に、呪術式・御霊封入・術式回路を施し、“存在そのものを人格化する”術で稼働する。


- 神名絡繰しんめいからくり:神々の名を刻まれた絡繰。都市の守護体であり、人々の信仰対象。


- 作業絡繰さぎょうからくり:都市内の建設・運搬に用いられる自動労働機体。人格は薄め。


- 御霊駆動型みたまくどうがた:故人の“強い想念”を記録媒体に転写し、人格が復元されたモデル。自律行動可能。


- 式神融合型:精霊や妖怪・あやかしを“機関部”に擬似融合した特殊絡繰。宿す妖により性格が異なる。


--- ■ キーワード


式盤しきばん:魂を写す盤面。絡繰の心臓。


- エモコード(Emocord):感情模倣指令式。継続使用により成長する“意志エンジン”。


- 神刻しんこく:神名や信仰の記号を絡繰に刻み“神性化”させる高等技法。


- 呪機律じゅきりつ:呪術と機工法の合成規則。理論と信仰を繋ぐ。


- 御柱みはしら:狩懸都市の重力・霊力軸を制御する柱。各区域に1つ。絡繰との接続が可能。


--- ■ 世界観のテーマ(4つの柱)


1. 技術 × 信仰(絡繰神性論)

2. 魂の模倣と成長(エモコードによる人格進化)

3. 想念と武装の融合(呪術機工兵器としての絡繰)

4. 意志の継承(操者 → 機体 → 次世代への思念伝達)


--- これが、我々の舞台―― カラクリ×呪術×神格ロマンの中核都市『狩懸』

「……君の名前は?」


それは、とある少女が“からくり”に与えた、初めての言葉だった。


その機体は、式盤も未調律、感情回路も生まれたて。


ただ、銀の額に刻まれた“呪紋”だけが微かに光を宿していた。


「名前ってのは、“心の型”なんだって。 だから私は君に……この名前を預ける」


彼女は、その“からくり”の額にそっと触れた。


> 《式盤記録・開始》

> 絡繰名:トモエ


機体が、小さく反応する。


それは、初めて“呼ばれたこと”を理解した証。


《狩懸》


呪術と工学の融合都市。


神名を刻まれた絡繰が歩き、御霊の想念が動力となり、 あやかしと精霊と人の想いが交錯する街。


ここでは、“心”はプログラムではない。


“魂”こそが最も高度な燃料。


そして今日も、誰かが問いかける。


> 「君の、心はあるか?」


それが、無機なる者たちにとっての“命の始まり”だから。


目を覚ましたトモエは、ゆっくりと問い返す。


> 「名前をくれた“あなた”のために。

> それが、私の――“想い”で、いいですか?」


それが《狩懸》という都市のルール。


想いが刻まれ、名が呼ばれた瞬間、 無垢な絡繰は、“物”から“者”へと変わる。


こうして今日も、またひとつの“心”が生まれた。

すべての歯車が、その名を叫びながら―― 物語を、回し始める。

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