アイドルと付き合ったら②
ステージの前は人だかりができていて、後ろの方になってしまった。
「まあ、見えるからいいか。」
「まだかなー。」
始まるまでまだ時間があった。
「それにしても人多いな。」
「有名だからだな。」
「アニソンシンガーの時も凄かったけどこちいもだな。」
「お!未だにTheオタクみたいな格好の人もいるんだな。」
数分後、ライブが始まった。
盛り上がった。
そして1曲目が終わった。
メンバーの自己紹介とトークが始まった。
「アレ?あのオタクあんな前にいたっけ?」
さっきまで俺の近くにいたオタクが前の方にいたのだ。
「テンション上がって進んじゃったんだな。」
特に気にすることも無く2曲目が始まった。
そして盛り上がっていると...
さっきのオタクが特に応援することも無く人混みをかき分けながらステージの方に進んでいた。
もうライブ所ではなくなり、オタクが気になってしまった。
「アイツなんなんだ?」
「なんかやな予感がする。」
「ん?ポケットに手を入れる?まさか〜。」
オタクの行動に違和感を感じつつ見張っていた。
次の瞬間b、オタクはポケットから手を出した。
俺は慌てて人混みをかき分けてステージの方に進んだ。
「琴音永遠に俺の嫁になってくれ。」
そういうとオタクは爆弾を投げた。
俺はステージにダイブし、琴音に飛びついた。
爆弾はステージ上空で爆発した。
オタクは警備員やスタッフに取り押さえられた。
「大丈夫?」
「はい。」
幸いアイドル達は無事だった。
数分後、警察が到着し、オタクは逮捕された。
スタッフはもちろんのこと観客も重要参考人として警察署に行くことになった。
警察には今日起きたことをこと細かく話した。
事情聴取が終わると...
「お!ヒーローが来たぞ。」
「お前ら待っててくれたのか。」
「まーね。」
「では、ヒーローインタビュー。」
「どうやって犯人に気づいたのですか?」
「たまたまだよたまたま。」
「たまたまとは?」
「容疑者の姿見た?ザ・オタクって格好だったじゃん。」
「だから珍しいなと思って。」
「確かにまだいるんだって思ったわ。」
「それで?」
「1曲目終わった頃かな。」
「俺の近くにいた容疑者が前の方にいたんだよ。」
「最初は盛り上がってるうちに移動したと思ったんだ。」
「でも曲が始まるとステージに向かって歩き始めたんでやな予感がした。」
「それでライブそっちのけで見てたらポケットに手を入れたんよ。」
「刑事ドラマとかよく見るじゃん。」
「たいていポケットに手を入れる時って爆弾か、液体の入った瓶を投げんのよ。」
「だから慌ててステージに向かったわけ。」
「なるほど!詳しい話ありがとうございました。」
「なにこれ?」
「え?ヒーローインタビュー。」
「別にヒーローじゃないし。」
「アイドルからすればヒーローだと思うよ。」
「そういうもん?」
「そういうもん。」
「てか、誰から見てもヒーローだわ。」
「そっかー。」