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公爵令嬢の矜持  作者: 大介
第1章 王立学園1年生
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アンジェリカ 悪役令嬢を勉強する

さて、まずは悪役令嬢を知る必要がありますね。

悪役令嬢のお話を以前、少し聞かせてくれたのは侍女のブレンダでした。


彼女に聞いてみる事にしましょう。

「ブレンダ、手が空いてからで結構ですので、私の部屋に来て下さい」

「直ぐに向かいます!」(天使の呼び出し)


驚くほど早く来ましたね。

公爵家の侍女は本当に優秀です。


「ブレンダ、ここでの話を生涯秘密に出来ると誓えますか?」

「も、もちろんです。ここでの話は一切他言致しません」(天使と秘密の共有!)


ブレンダの決意を聞いて私は尋ねる事にしました。

「悪役令嬢とは、どのような人の事を指すのでしょうか?」

「お嬢様には不要な心配です。公爵家ですから悪役令嬢など敵ではありません」(天使は無敵)


ブレンダは何か勘違いをしているみたいです。

「違うのブレンダ。私が悪役令嬢になる為に教えて欲しいのです」

「ご、ごほん。お嬢様が悪役令嬢になる目的を教えて頂けませんか?」


私は怒りを滲ませて話しました。

「王子と婚約破棄する為です。お父様から話を聞いた限りでは、こちら側から申し出る事は出来そうもありません。ですので悪役令嬢として王家に都合が悪い人物になり、相手側から婚約破棄を言わせる為です」

「分かりました!心して聞いて下さい」(天使の怒り)


ブレンダの空気が重くなりました。

「まず、爵位が下位で気に入らない相手を見つけます。お嬢様の場合は相手が誰でも良いのですが、下位であればあるほど悪役度が増します」


悪役度って何ですか?

私は禁断の扉を開いてしまったのでしょうか?


他の手段の方が良い気がしてきました。


ブレンダが話を続けます。

「悪役令嬢に最低限必要な要素を5つ述べますね。

1つ、教科書を破り捨てる。目の前で破れば悪役度アップです。

2つ、持ち物をゴミ箱に捨てる、もしくは隠す。大切な物であるほど悪役度アップです。

3つ、水をかける。泥水など汚れを落とすのが大変な液体だと悪役度アップです。

4つ、食堂でぶつかる。周りの人を大勢巻き込こめば悪役度アップです。

5つ、階段から突き落とす。捻挫や骨折などで相手が怪我をすれば悪役度アップです。

全てを派閥の者にやらせるか、本人でやるかに違いはありますが以上です」


学園の話ですよね?

私が通う学園の話ですよね?

「貴族の通う学園で、その様な低俗な事が行われているのですか?」


ブレンダが大きく頷きます。

「そうです!悪役令嬢は低俗な事を笑顔で行う必要があります。お嬢様は大丈夫ですか?」


覚悟を決めましょう!

「分かりました!下位の爵位の方を相手にそのような事を行えば良いのですね」


ところで気になる事があります。

「ブレンダが話した悪役令嬢は、過去にいた方ですよね?」

「はい。私が学園に通っていた際に行われていたものです」(天使に嘘ついたよ…)


えっ?

ブレンダはそんな怖い学園に通っていたの?


しかし、王子との結婚を回避する為にはやるしかありません。

「私は過去にいた悪役令嬢に収まるつもりはありません。悪役令嬢とは私を指すと思わせる位の悪役になる必要があります。ブレンダは侍女として学園に付いて来てくれますよね?」

「お嬢様が望まれる侍女が選ばれます。お嬢様次第でございます」(天使にお願い!)


公爵令嬢アンジェリカ、やってみせましょう。

「私が学園に入学する前に準備して頂きたいものが多数あるの」

「分かりました。準備の方はお任せください」(天使がさらに天使に?)


学園の入学が楽しみですね。

私の名前が悪名として王国中に響き渡るでしょう。

ブレンダはお嬢様への愛が凄すぎて、周りの侍女達から恐れられています。

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