まちをたべる
片隅めいた
潮騒の届くまちで
かなわない平穏をおもいながら
ちりあくたになる
まちのたてものの毅然とした感は
たぶんたまにはハリボテで
わたし くにに帰ろうとおもいながら
幽かに揺れるわ
夏、というか
まちははしゃいで
たとえば《信号機》は青に
《きみ》は日傘をさすなどし
アスファルトな怪物の腹に消える
途切れ途切れの潮騒が
神聖なレベルに引き上げられていく
怪物は
日傘をさしたら順々に
夏、というか
まちをたべる
たいせつなてがかりを見失わないよう
たいせつにたべる
うねり
そのなかでひとり
幽かに揺れるわ
白 花 風 星 祈り
渦 鉄橋 屑 名前 螺旋