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朝食の後、一人にしてほしいと言ったアリシアと別れてモニカと共に商店街を歩いていた。
また、あの三人が襲ってくる可能性もあったけどモニカと一緒なら何とかなりそうだ。
「さて。これからどうする?」
「適当に見て回るしかないかな。お金持ってないし、アリシアはあんな感じだから。」
「一つ質問したいけど。結局エクレールって何者なの?」
「さぁ。少し前に協会に所属していたってことしか分からないけど。」
「アリシアとは元同僚といっても、別に友達じゃなかったみたいだし。うーん、いっその事協会の人に聞いてみる?」
「今、協会の支部に直行するのは勇気ありすぎないか?」
「そうは言うけれど。貴方だってあの屋敷の中に来たんでしょう?それなりに、危険な状況に慣れている証拠じゃない?」
「あぁ、あれは・・何だろう。視覚よりも嗅覚の方がかなりきつかったからな。もうあんな事するなよ。」
「私としては、自分の口では食べにくいんだけど。魔力を使わないと消化できないし。」
「え?」
「前に言ったわよね。私は元々食が通らないほど弱い女の子だって。エクレールは壮大に勘違いしてくれていたけれど、別に私はそこまで狂人のような暮らしが好きじゃないのよ。単純に、この力を持った後はあの方法でエネルギーを摂取したほうが効率がいいの。」
「そのモニカの力、大罪と何か関係あるのか?」
「さあ?グレコも分からないし、殺された私の元主人を生き返らせないとどうにもならないわね。」
「元主人って・・。」
「あの人、何で殺されたのか分かる?」
「さぁ。教団と何か問題を起こしたんじゃないか?」
「あんな奴らに殺されるような人たちじゃないわ。」
「10年前の話だからな。でも、そのエクレールもかなり幼い時からあの武器を使っているみたいだし。」
「場違いの加工品ね。現代技術よりも数百年進んでいる、そんな魔法のアイテムを使っている辺りあのエクレールも謎だけれど。そのアイテムも協会に奪われているままだから、余程の事がない限り・・あれ?」
「どうかしたか?」
「うーん。でも、あの子どうして協会を脱会したのか分からないわね。」
「過去に何かあったみたいだし。エクレール本人に聞いたら、自分探しってはぐらかされたけど。」
「自分探しね・・。」
「エクレールとアリシアの事は別に気にしない方がいいんじゃないか?」
「・・・・。」
「エクレールが言ったあの子の事も、気にしない方がいいんじゃないか?」
「私は大体予想がついたけど。確かに聞いてみないと分からないことだものね。はぁ、お金が無いからデートにもならない。」
「え?デート?」
「いっその事アリシアの事無視して私と旅しない?」
「そんな事したら僕はアリシアに殺されると思うよ。それに何処に旅するんだ。」
「何処へでも。適当にそこら辺の魔物を倒せば、懸賞金ぐらい貰えるわよ。」
「え?ギルドに入らなくてもいいのか?」
「あれはあくまで魔物の討伐や薬品の錬金術を商業化するための企業でしかないし。フリーランスっていう概念は貴方にはないの?」
「あぁ、フリーね。それでもいけるのならいいけど。アリシアはずっと協会に入ったままだろうし。」
「あのワーカーホリックになりかねない騎士が、貴方を本当に幸せにできるかしら。」
「前は三つの依頼を続けて解決していたぐらいだから、確かに危ない気はするけど。」
「別に奴隷で居る必要何てないじゃない。」
「あのさ。僕と君が持っている大罪の武器だって、今何処かに持っていったら今度は協会を敵に回すだろ?」
「アリシアとまた戦う羽目になったら、確かに燃える展開ね。」
「そのまま消し炭にされるだろ。」
結局、モニカと一緒に旅をした場合のルートは考えないで置くのが賢明だと思った。
今ここでモニカに首輪を外してもらい、彼女と一緒に大罪武器を持ったままこの町から出て行くのは面白そうだけど。
「もともと私の物なのに。」
「ん?待てよ。グレコはどうするんだ?」
「あの黒いまんじゅうならもう食べられてるんじゃない?」
「あいつこそどういう生き物なのか分からないんだけど。悪魔だったりするのか?」
「ん?ただの使い魔よ。奴隷だった私を慰めてくれたペットだと思えばいいわ。」
「ペットか・・。それで、そのペットを見殺しにすると。」
「今更気づいたんだけど、別にあいつ居なくても私普通に行動できるのよね。」
「・・・・・。」
何て酷い奴だ。流石にグレコの事を同情してしまうが、外見は屋敷に居た時よりはまともだけど。
国中を旅していたぐらいだから、元々一般常識は確かに持っているはずだ。
なら、やはりあの包帯と血痕で染まったワンピースは趣味・・だったのか。今は聞かないでおこう。




