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異世界で騎士の奴隷となった日  作者: 時川
始まり、森から屋敷へ
13/131

○13

しかし、無能力者が対処できない事件なんだから、僕は行かない方がいいはずだが。

「相手は一人よ。問題は無いし、貴方が私の奴隷に相応しいかの試験にもなるじゃない。」

「その試験は森の方じゃダメだったのか?」

「それは駄目。だって面白くないじゃない。」

「アホな子が連れてきた魔物に追いかけられたくせに。」

「あんな魔物で私を止められると思うの?あのバカを巻き込んで皆殺しにしたわ。」

「ころしちゃったの!?」

「一人を除いてね。愉快だったわね。」

鬼だった。さすがにエクレールもアリシアには敵わないようだ。

「何?女の子だから気になってるの?」

「いや、暇だから外を歩いていたらエクレールっていう人に会っただけで。」

何故か、アリシアはため息をついた。

「まさかそんな偶然の連続になるなんて。でも、何であいつ、一人で森を移動していたのかしら。」

「エクレールと知り合いなのか?もしかして。」

「元同僚よ。数ヶ月前にあいつやめちゃったから。別に会うつもりはなかったけど。何なのかしらね。」

「昔からアホな子なのか?」

「そうね。そのせいで任務が混沌とした状況になって、損害賠償を払わせられてきたから。他に夢があるって言って辞めてからは楽になったけど。正直、彼女がまた何かするとなると厄介ね。」

「エクレールのことは、嫌いなのか?」

「さあ。憎たらしいだけかもしれないけど。あの子、結局何がしたいのかしら。」

それは自分もよく分からない。

エクレール個人の問題で、僕には関係のないことだ。

「貴方こそどうなの?本当はあの子の方が好みなんじゃない?」

「あいつに森の中に連れていかれたから、スライムに体当たりされたんだけど。ああ、そのスライムのせいで、エクレールが持ってた剣が折れたよ。」

「はあ!?」

驚かれた。凄い剣幕だった。

「あの剣が折れたって、エクレールならありえそうだけど。よりにもよってあの名剣が折れるなんて。きっと実は偽物だったに違いないわ。王家の名剣とか嘘をつくなんて。」

「でも、あのスライム物凄く硬いぞ。」

「固形化するタイプだもの。本当は凄いナマクラだったなんて、あの子の悪運の強さは天才レベルね。」

「悪運ね。」

ただ、そのエクレールが何から逃げているのか。それはよくわからないままだ。

もしかしたら、割と大変なことに巻き込まれているのかも。

会ったら一応、ちゃんと話してみよう。

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