密室で二人……
特に舞台は変わりませんが、監視の目が完全になくなります。
「私は、というより私たち兄弟はお礼と謝罪のために来たのです」
私たち?ほかにもいるのか?今からこの部屋に入ってくるのか?
俺はさらに警戒を強める。
「そこまで警戒されると悲しいですが……。まあ、こんなところに突然呼び出されたらそうなりますよね」
「まあな。どんな場所なのか知らないし、この世界で俺たちのいた世界の常識が通用するとは限らない。なら、できる限りの警戒はしておくべきだろ?」
「そうですね、分かりました。そのままでいいですし、私も離れるようにします。それと」
彼女はドアを開け、二、三言話すと、ドアを閉めた。
「今、そこにいたメイドたちを遠ざけました。監視は付けないと約束しましょう」
彼女は天井を一瞥した。
「これであなたは私になにをしても問題にはならないでしょう」
仮にも一国の王女が監視のない場所で男性と二人きりというのは、普通ではありえないだろう。
「そこまで疑われるのでしたら、ご自分で確認いたしますか?魔術は多少嗜んでおりますので、簡単な物ならお教えできますよ?」
「そうさせてもらおうか」
彼女は、はぁ、とため息をつくと、
「わかりました」
と返した。
「では、今回は『アンチマジック』と『サーチ』、『エアコントロール』をお教えしましょう」
「お願いします」
「と言っても、特別なことはなく、イメージをしながら詠唱すれば発動します。それにあなたは、一度見た魔術は使えるようですから」
そう言って立て続けに魔術を発動させていった。
アンチマジックは発動前の魔術と発動中の魔術の効果を消すものだった。
サーチは特定のものを探るための魔法で、条件を与えながら発動すると、それに合ったものがどこにあるかを探してくれる。
エアコントロールはその名の通り空気を操るものだった。人やものがあれば多少なりとも空気の流れはゆがむ。これを使うとその歪みも検知できるという事だった。
だが、この魔術には欠点があり、相手の方がINTが高いと空気の流れの歪みを消されてしまう。だが、先ほどのサーチとは違い、INTが高ければ確実に見つけることが出来るため、重宝されているのだ。
それに、この世界の平均が本当に25前後なのかはわからないが、基本が三桁ならまずディスペルされることはないだろう。
ちなみにこの場合のディスペルは、相手のステータスが高かったために魔術効果がかからなかった場合を指す。
『アンチマジック』『サーチ』『エアコントロール』
俺は立て続けに発動させた。すると、
バリンッ
「「え?」」
俺と彼女の声が重なった。
皆さんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
当分はそういう描写はない予定ですよ?
入れる予定も特にはないですが……
今後ともよろしくお願いします。