部屋の中で……
年頃の男女が二人きりになります。
しばらくすると部屋についた。
部屋は父さんと母さんで一部屋、俺と美咲は別で一部屋ずつ出された。
美咲は起きる気配もなかったので、騎士の方がベッドに寝かせたと言っていた。
「それでは、何かございましたら私かあちらのフェルトにお申し付けください」
彼女たちは礼をすると部屋の外へと出た。
離れていった様子もないし、気配がうっすらと感じ取れる。扉の向こうで立っているのだろう。
逃げないようにするための見張りでないことを、祈るばかりだ。
さて、さっそくなにが出来るのか確認しないとな。
俺はそう考えて、ノーパソとスマホを取り出した時だった。
コンコン
部屋の扉が叩かれる音がした。
「はい」
今鞄から出したものを戻しながら、返事をする。
「ソフィアと申します。中に入ってもよろしいでしょうか」
女性、いや、少女の声がした。
「大丈夫ですよ」
「失礼します」
そう言って中に入ってきたのは、十五を過ぎたくらいかと思われる少女だった。
というか美少女だった。
およそ150センチくらいの身長にスレンダーな体系、髪はブロンドで腰のあたりまで伸びている。服装は落ち着いているが、俺のような素人でも一目でいいものだとわかる服だった。
もしやこんな少女に色仕掛けでもさせる気じゃあるまいな。
そんな考えが浮かんだ。
「改めまして、私はソフィア・メラリア・ギリングです。気楽にソフィとお呼びください」
「ギリングってことは……」
西洋風の名付け方なら、ラストネームはファミリーネームつまり苗字だったはずだ。
「はい。この国の王、ベル・ジェイン・ギリングの娘です。この国の王女ではありますが、継承権もかなり低いため、普通に接していただけると助かります」
やはりか。それに、継承権が低いという事は、おおよそどこかの貴族に嫁がされるのだろう。もしくは有力な人物を拘束するために使うか、といったところか。
俺は警戒を強めた。
「そういうなら、話し方は崩させてもらうが、どうしてここに来た?」
彼女は少し残念そうに微笑んだ。
「そんなに警戒しないでください。命令で来ているわけではありません」
「だったらなぜだ」
スマホのロックを解除して、録音機能を起動させるとともに、鞄から万能ナイフとタオルを取り出した。
皆さんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
ん? エロい描写が入るとでも思った?
異世界に来て初日でそこまで行くわけが……
今後ともよろしくお願いします。