スキル確認
プレートの下に目を移すと、スキルが並んでいた。
【言語翻訳】【理を外れし者】【基地局(5G)】【時空操作】【魔術回路(極)】【付与術】【鑑定】
これが俺の持っているスキルだ。
【言語翻訳】や【時空操作】、【鑑定】はわかりやすい。【魔術回路(極)】も魔術を使うためのモノというのは、なんとなくわかる。
【付与術】はエンチャントの事だろう。
【理を外れし者】は名前からして、異世界から来た人全員に付くスキルなのだろう。ステータスが異様に高いのもこのせいだと思う。
ここまではいいんだ。
なんとかわかるから。でもさ、
【基地局(5G)】
ってなんだよ。
元の世界で基地局といえば、ネットワークに接続するための電波を受送信する場所だろ?でもさ、この世界にそんなものがあったって、使えないだろ。
それも5GってWi-fi意外だとまだ試験段階とか聞いたぞ?ほんとになんのことだよ。
俺はポケットに入っているスマホを取り出して、起動させた。
すると、アンテナが普通に立っている。
試しに「異世界」で検索してみると、家のWi-fiよりも早く結果が出た。
どうやら本当にそういう効果らしい。
まあ、異世界でもネットにつながるのは、とてもありがたい。
今のご時世、ネットにつながれば大抵のものは見ることが出来るからな。
ゲームだって可能だ。俺自身が基地局なら、つながらないという事もないだろう。
あれ? ネット関係はこっちのほうが楽?
PCゲームもダウンロードで大抵は何とかなるし、異世界にいたくない理由が少しだけ解消された。
だが、ステータスが高かろうと、所詮俺たちはただの一般人だ。戦いなんてしたことがない。
「残念ながら、お断りさせていただきます」
そう言って頭を下げた。
「そうか……」
周りの空気が重くなったように感じる。
それも仕方ないだろう。魔王を倒せる望みが一つ消えてしまったのだから。
「……了解した。この者たちを部屋へ」
王様が周りの人にそう指示を出した。
「このまま城の中に籠るもよし、旅に出ていくもよし。我らは勇者様方を拘束することはできませぬ。ですが、本日はお休みください。すでに外はもう暗い。城を出るとしても、明るい時間の方がいいでしょう」
「それでは、ご厚意に甘えさせていただきます」
たしかに、窓から入ってくる光はかなり弱くなっていた。
この時間に出ても、お金を稼ぐことが出来ず野宿することになるだろう。
寝込みを襲われる可能性はあるが、街中で寝て俺たちの持っている物が一つでも取られたら大ごとだ。
そう考え、ここで一泊することにした。
「みんな、移動するよ」
父さん、母さん、美咲にそう告げる。
「ああ」
返事を返したのは父さんだけだった。
母さんは既にメイドたちと移動を始めていたし、美咲は放心状態で騎士の一人に担がれていた。
みなさんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今回出てきた5Gとは、ネットワーク回線のことです。
5Gと言っても、第5世代という意味で(なんか、そいうやって言うとかっこいいですね)5ギガバイトも送れるわけではありません。
現在の主流が4Gなので、5Gになると、かなり早いです。
わからない、詳しく知りたい。という方は、各自で調べていただければ幸いです。
ちなみに、物語にはまったく関係ありません。
今後ともよろしくお願いします。