両親の若返りと……
ふと、下を見ると、魔法陣のようなものが描かれていた。
これは相手を強制的に召喚するための魔法陣だという事が、感覚でわかった。
これも異世界に来た影響なのだろう。少なくとも魔法がある世界という事は確定した。
ここまでおよそ数秒、父さんはスマホをいじり始め、母さんと妹はきょろきょろと首を動かしていた。
その中で、壇上にいたオッサンが立ち上がった。よく見ると座っていた椅子もかなり豪華なものだった。
俺はとっさに警戒する。魔法陣は召喚する以外の効果が付いていなかったが、隷属化させる魔法を使ってきても不思議じゃない。
そのほかの方法で奴隷になってしまう可能性もあった。そして、俺たちにはそれに対抗する手段を持っていない。
鞄の中に万能ナイフはあるが、全身甲冑を来た人が襲ってきた場合、傷の一つも付けられないだろう。
壇上にいたオッサンが足をそろえて立つと、腰を勢いよく九十度に曲げた。
ゴキッ
そんな音が聞こえたような気がした。
オッサンがその場にうずくまる。
見た目から推測すると、年齢は五十近いだろう。そんな年の人が重そうな服を着て、勢いよく腰を曲げたらどうなるか。
そう、ギックリ腰だ。
オッサンを少しかわいそうに思いながらも、頻繁にギックリ腰になる父さんを見る。
すると、また違和感を覚えた。
四十過ぎだったはずの父さんが、二十代前半に見えるのだ。
とっさに母さんに目を向けるが、こちらも同様に二十代前半くらいの容姿をしている。服は変わっていなかったので、年齢にそぐわない服装がとてもおかしく見える。
前方には豪華な服を着ながら、うー、うー、と痛そうにうなっているオッサンの姿が。
後方には若返った両親の姿が。
俺は混乱し始めていた。
ちなみに、美咲の容姿は特に変わらなかった。同じ中学生という事だろう。
それがさらに俺の混乱を加速させる。
俺がなんとか状況を飲み込み、まともな思考が戻ってくるのと、オッサンが横に立っていた人たちに支えられ、椅子に座りなおすのはほぼ同時だった。
皆さんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
まさかの王様がギックリと行きましたね。
想像するとかなりシュールな光景に
でも、後ろには自分の両親が若いころの姿で、40代のおじさんやおばさんが着る服を着て、立っています。
まさにカオスですね
両親の若返りは、冒険中に王様と同じ状態になるのは避けたかったので、使いました。
今後ともよろしくお願いします。
次回はこの後すぐ!←ただ使いたかっただけ