この指輪があなたを守ってくれるでしょう
初めに青色のビー玉を半球にし、底を楕円にする。そして、それを黄色のビー玉で覆った。
次に一円玉を加工して、ビー玉をはめ込む。
最後に今までつけていたネックレスに取り付けた。鎖の部分は高そうだが、装飾品がとても安上がりなペンダントの完成だ。
我ながらいい出来だと思う。
ちなみに、今まではネックレスで鎖の間に魔石が付いていたのだが、同じようにネックレスとして作るのも大変だと思ったので、ペンダントトップを付けた。
そのため、完成したものがペンダントになったのだ。
アルミとビー玉、ネックレスの破片が残ったので『フォームチェンジ』を使い、指輪を作り出した。
そこには壊れてしまった魔石がちりばめられており、こちらも即興で作った割にはなかなか良い出来だと思う。
本当は腕輪にしたかったのだが、材料が全く足りなかった。
指輪は恥ずかしいが、仕方ない。
どうせなら百円ショップで買ったスプーンやフォークも使おうかと考えたが、アルミを新しく調達する手段もなかったので、断念した。
そして、完成したペンダントに【付与術】を使って元と同じ『解毒』を付与した。
付与術は魔術の延長線上にあったのでネックレスを鑑定した時に、使い方もなんとなくわかった。
どうせなら、指輪にも効果を付けようと思い、なにがいいか考える。
そして、思いついたのだ。
複数の魔術を付与して条件起動型のペンダントにすればいいのではないだろうか、と。
実は、ペンダントについていた『解毒』や『アンチマジック』は消費魔力が高い。
ペンダントは所有者の魔力と魔石に補充されていた魔力によって常時発動させていたが、サーチの方が消費魔力は少ない。
それに、効果範囲を所有者に限定してしまえば両方付けていても、消費魔力はそこまで大きくならないだろう。
所有者の魔力だけで十分なんとかなるはずだ。
俺はすぐにペンダントに付けていた『解毒』消す。
今回は物が壊れるという事はなかった。
そして、再度【付与術】を使う。
ペンダントには『サーチ』で効果範囲は所有者に限定する。
検出するものは毒物で『解毒』の効果があるもの。
ここら辺は魔術の良いところで、後に続く術式の内容を読み取って条件とすることが出来た。
この後で『解毒』を『サーチ』で毒物を検出した場合という条件で起動するように付与する。
さらに安全装置として、所有者の魔力が少なくなった場合、周辺で魔力を吸収できる場所を探し、そこから魔力を消費する。
ない場合は機能を一時停止するようにセットした。
改変が簡単なのは【魔術回路(極)】と【付与術】のおかげなのだろう。
指輪には『サーチ』所有者とその周辺に敵対する魔術を検出させ、『アンチマジック』で魔術を破壊、停止させるように付与した。
こちらにもペンダントと同様の安全装置が付いている。
「ふぅ、これでいいかな」
手で汗をぬぐいながら言った。
みなさんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
エンチャントの回です。
今後ともよろしくお願いします。