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悪役令嬢は夢を見ない  作者: あまの宵
プロローグ
1/2

現実主義者は夢を見た

はじめまして。

のんびり完結までやっていけたらな、と思いますm(_ _)m

現実主義のみなさんこんにちは。

みなさん知って通り、現実と夢物語には様々な決定的違いがありますよね。

夢を壊すな??いやいや、夢を見すぎて脳内お花畑で破滅するほうがよっぽど良くないんですよ。

では、いくつか例を上げてみましょうか?


まずは涙。いくら美人だろうと現実、美しい表情を保ったままは泣きじゃくれないこと。

2つめは顔面偏差値なんてたかがしれていること。イケメンだろうと傾国の美女だろうとそこらには転がっていません。

3つめはカラフルな髪の毛なんて、美容学校でもない限り視界いっぱいには収められないこと。


細かいことで言うと、甘酸っぱい初恋相手の幼なじみなんていないし学園の王子様的キャラとその王子様のライバルもいない。

学園の女王もいなければその女王に虐げられ、王子様に助けられる美少女ヒロインもいないのだ。



だから、これはきっと夢である。


私を少し離れた場所から見つめる、目が痛くなりそうなほどキラキラした人たち。

周りを取り囲んでいる令嬢たちが纏う、現代社会では絶対にお目にかかれないような豪奢なドレス。

その傍に控える騎士のような服を纏った子息たち。


バチ、と静電気のような音が走るほか、静まり返った会場に視線を巡らしていると、目が痛くなる軍団から1人の人物が私の前に進み出てきた。


シャンデリアの光を反射して星のように輝く白金髪に、澄んだ空の瞳。


「まさか…あくまで保険のつもりだったんだけどね」


本日齢17になる彼は身長は高く、私より頭一つ分の差があった。

微笑みを浮かべ、しかし射抜くように見つめる彼は貴公子然とした彼は正真正銘この国の王子である。

それに今日のパーティーのホストは彼であり、どの殿方よりも華やかな装いをしていた。


「貴女がこの現象の意味を知らないはずがない…ですね、ローズマリー嬢」


周りの反応を伺うように視線を巡らせていた彼はひた、と私に目を止める。


「本日、王宮には北の魔女により特殊な結界が張られていた。そして、これほどの強度の結界を揺るがせる人物も限られている」


「貴女が私…いや、ミアに向けた魔力、いや、この結界がなくとも人に攻撃魔法を使うなんてマナーに反する」


突如湧き出てきた別の人格に意識が向けられている中、頭に聞き捨てならない台詞がきこえる。


特殊結界が張られている?そんなの知ってる。

だって私のお父様は宮廷魔術師であり、私はその一番弟子だったから。

いつしか行方不明になってしまった父に代わり次代宮廷魔術師になるであろう私にそんな情報は必ず伝えられる。


「殿下?」


言っていることの理解ができず問を投げかける。

すかさず彼の後ろから1人の騎士が進み出てきた。

彼は収めていた剣を引き抜くと私の首元へ突きつける。

見慣れたそれが視界に入り、否応なしに口を閉じるしかない。


ああ、それは私が彼のための細工を自ら彫ったものだ。

戦いへ身を投じなければならない大切な幼なじみのため、もてる知識を持って最大の加護を込めて彫ったもの。

それが今、私に突きつけられている。


剣の切っ先から視線をあげると、綺麗な眉を歪め、敵をみるような瞳は、たしかに私を写している。



そうだ、みなさんに言い忘れていた。

最後に現実と夢物語の大きな違い。



それは1人の“私”にとっての致命的違い

そしてそれは私の唯一誇れるもの。








現実世界には魔法なんてものはない。

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